【鳥取県南部町】赤猪岩神社(清水井・清水川神社も)にお参りしてきた【再生復活祈願】

山陰遊覧記

鳥取県南部町に鎮座する赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)。

 

古の日本の国造りの神・大国主神(おおくにぬしのかみ)が、まだ国を治める前の若かりし頃、兄神たちに謀殺されました。

その後、大国主神の死を嘆き悲しんだ大国主の母神・刺國若姫命(さしくにわかひめのみこと)と2柱の女神が手を尽くし、大国主神を復活させます。

その大国主神が謀殺され、復活を遂げた場所に、赤猪岩神社があります。

 

こうした由緒から、再生・復活の御利益があるという赤猪岩神社に、2022年6月3日にお参りしましたので、ご紹介いたします。

 

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「赤猪岩神社」について

本記事の冒頭で紹介した御由緒から、御祭神は大国主神(おおくにぬしのかみ)。

合祀しているのが、素戔嗚命(すさのおのみこと)、刺國若姫命(さしくにわかひめのみこと)、稲田姫命(いなたひめのみこと)。

合祀している3柱の神様は、大国主神にとって、それぞれ義父、実母、義母になります。

公式サイト 南部町役場サイト:https://www.town.nanbu.tottori.jp/akaiiwa/3/1/
住所 鳥取県西伯郡南部町寺内232
ジャンル 神社
アクセス JR「米子」駅から車で15分程度
駐車場 30台程度あり。無料。
トイレ 駐車場にあり。

 

 

「赤猪岩神社」の御由緒の詳細(日本神話)

若き大国主神は、兄弟の神様がたくさんおり(この兄弟神をまとめて八十神という)、一緒に暮らしていました。

ある時、因幡の国(今の鳥取県東部)に美しい姫(八上比売(やがみひめ))がいると聞き、求婚しに行くことになりました。

八十神は、多くの荷物を大国主神に持たせ、自分たちは身軽で八上比売の元に向かいました。

八十神は道の途中、因幡の浜辺でウサギをいじめ辱めましたが、後からきた大国主神はウサギを憐れみ、ウサギに手当の方法を教えました。

喜んだウサギは「八上比売はあなたと結婚するでしょう」と言い、去っていきました。

結果、八上比売は大国主神を結婚相手に選び、兄弟神は大国主神に嫉妬します。

 

求婚の帰り道、八十神は大国主神を謀って殺すことにします。

八十神は、今の赤猪岩神社のある山まで来ると、こう言いました。

「今から赤い猪を狩る。自分たちが猪を追い込むので、大国主神は猪を捕まえてくれ。捕まえないとお前を殺す。」

しかし、これは嘘で、赤い猪を追うのではなく、火で焼いて赤くなった大岩を大国主神がいる方へ転がし落としたのです。

それを知らない大国主神は、イノシシを捕まえようと大岩に立ち向かい、焼き殺されてしまいました。

 

大国主神が謀殺されたことを知った母神・刺國若姫命(さしくにわかひめのみこと)は嘆き、天界の神産巣日之命(かみむすびのみこと・生育の神様)に悲しみを訴えます。

神産巣日之命は、赤貝の神・蚶貝比売(きさがひひめ)と蛤貝の神・蛤貝比売(うむぎひめ)の2柱を刺國若姫命につけ、大国主神が殺害された場所に赴かせます。

現場についた女神3柱。

蚶貝比売は赤貝を削って粉にし、蛤貝比売はその粉と自らの母乳を「清水井」という泉の水と混ぜ合わせ、それを大国主神の遺骸に塗ると、見事、大国主神は命を落とす前の麗しい姿に戻って生き返ったのでした。

 

赤猪岩神社」は、その大国主神を殺す際に用いられた大岩が封印された神社です。

 

 

赤猪岩神社の風景

2022年6月3日、気候は晴れ。

この年に失職しているブログ主は、自らの再起を願い、赤猪岩神社にお参りしました。

 

神社への道しるべ

県道1号線を車で走っていると、案内板を発見!

 

駐車場

上の写真の道しるべに、ほど近い場所に駐車場がありました。

下の写真で、停車している車と車の間にあるのがトイレです。

 

売店

駐車場の敷地内に建っている小屋は売店。

御朱印やお守り、御札のほか、神社のクラフトテープや猪革のお守り入れ(お守りは別売り)といったユニークな商品もありました。

 

まずは、赤猪岩神社に参拝することにしましょう。

 

手水

「一の鳥居」の手前に「手水」があります。

 

まずは、手と口を浄めましょう。

 

一の鳥居

手と口を浄めたら、「一の鳥居」をくぐります。一拝。

 

二の鳥居と狛犬

「一の鳥居」をくぐると、「二の鳥居」と「狛犬」さんが見えてきます。

 

「一の鳥居」と「二の鳥居」の中間点で出迎えてくれる「狛犬」さん。

 

石段を登って「二の鳥居」の手前まで来ました。

 

「二の鳥居」手前の「狛犬」さん。

こちらの方が原形をとどめていますね。

 

「二の鳥居」の上には、神社名にあるとおり「赤い」表札。

一拝して、いざ拝殿へ。

 

拝殿

「拝殿」まで到達。

 

二拝二拍手一拝。神様に御挨拶。

 

「賽銭箱」の上には、「おみくじ(50円)」、右隣には「古札入れ」が。

 

本殿

「拝殿」脇から、「本殿」を撮影。

屋根を修理中なのか、ブルーシートがかけられていました。

 

「大国主大神御遭難地」と「大国主神が抱いて落命した大岩の封印地」

「拝殿」に向かって左側には、「大国主大神御遭難地」が。

いよいよ、大国主神を落命させたという大岩が封印されたところへ。

 

「大岩の封印」は、「本殿脇」にありました。

 

「大国主神を絶命させた大岩」は、地中深くに埋められ、異なる大岩で幾重にフタをしている、といいます。

地表にも、蓋をしている岩が苔むしており、注連縄で囲ってありました。

 

境内にあるその他のもの

「本殿」と「大岩封印」の傍らには、巨木が根を生やし、根元に祠がありました。

巨木も神聖視されているみたいです。

 

「本殿」裏にある「末社」。

合祀されている3柱の社でしょうか。二拝二拍手一拝。

 

絵馬を奉じる場所の脇には「再生桜」と呼ばれる桜の木が。

参拝したのが6月だったため、桜の花は見れませんでしたが、早春には見事なサクラが拝める場所なのでしょう。

 

売店で、福を呼ぶ「小槌のお守り」を拝受

赤猪岩神社に参拝後、駐車場にある売店に寄りました。

そこで、「福こづち(600円)」を拝受。

キーホルダーサイズのかわいい小槌です。

 

小槌を振ると、軽やかな鈴の音が響きます。

鈴には魔除けの意味もありますので、スマホにつけようかな。

 

大国主神は、七福神の大黒天=えびす様でもあり、「こづち」が縁起物とされています。

 

赤猪岩神社で「ご祈祷済」というのは嬉しいですね。

ブログ主の次なる発展を支えてくれるアイテムになってくれそうです。

 

さぁ、次は大国主神を蘇生させた際に用いられた泉の「清水井」をお参りしに行きます。

 

 

「清水井」について

公式サイト 南部町役場サイト:https://www.town.nanbu.tottori.jp/akaiiwa/3/2/
住所 鳥取県西伯郡南部町清水川230
ジャンル 旧跡(泉)
アクセス 赤猪岩神社から車で3分程度。車道で1.6km
駐車場 15台程度あり。無料(清水川神社と共用)
トイレ なし

 

 

清水井の風景

赤猪岩神社を出て、清水井へ向かいます。

 

赤猪岩神社から清水井への道

赤猪岩神社脇に、清水井へ通じる参道があったようです。

しかし、2022年6月現在、工事中とのこと。

こちらのルートは使えませんでした。

 

このため、公道を歩いて清水井へ向かうことにします。

赤猪岩神社の入り口の道しるべの裏側に「清水井」の方向が案内されていました。

 

駐車場

赤猪岩神社が鎮座している山沿いに歩くこと約20分。

「清水井」の駐車場に到着しました。

 

駐車場から清水井への道

駐車場の対面に、清水井への道が伸びています。

下の写真で、奥へ続いている道がそれです。

 

駐車場から清水井への道は100m。

民家がある住宅地の中を抜けていきます。

 

「清水井」に到着

駐車場から歩いてすぐ、「清水井」に到着。

閑静な民家に隣接しているので、あまり大声を出さないなど、御注意。

 

「清水井」は、その名のとおり静かに泉は清水をたたえていました。

神代より枯れることなく、今に続いているということに、しばし感慨にふけます。

 

御由緒の案内板。(クリックで拡大できます)

 

「清水井」の水を用いて、大国主神を蘇生させた場所を祀った「清水川神社」が近くにあると知り、「清水川神社」に向かうことにしました。

 

 

「清水川神社」について

御祭神は、赤猪岩神社と同様、大国主神の蘇生伝説に関係する神々です。

・倉稲魂命(くらいなたまのみこと)大国主神の義兄

・天照大日霊貴尊(あまてらすおおひるめのみこと)大国主神の義父の姉

・素戔嗚命(すさのおのみこと)大国主神の義父

・刺國若姫命(さしくにわかひめのみこと)大国主神の実母

・蛤貝比売神(うむぎひめのかみ)大国主神を蘇生させた女神

・蚶貝比売神(きさがいひめのかみ)大国主神を蘇生させた女神

公式サイト 南部町役場サイト:https://www.town.nanbu.tottori.jp/akaiiwa/3/5/
住所 鳥取県西伯郡南部町清水川
ジャンル 神社
アクセス 清水井から徒歩1分
駐車場 15台程度あり。無料(清水井と共用)
トイレ なし

 

 

清水井から清水川神社への道

駐車場から「清水井」に続く道の途中から、「清水川神社」への道があります。

清水井の向かい側にある溜め池に沿って歩き、竹林の中へ。

 

竹林に入ってすぐ、静かにたたずむ「清水川神社」が鎮座しています。

 

手水

清水川神社に到着。まずは手を浄めたいところ。

 

「鳥居」への石段脇に「手水」で用いられたと思しき窪みのある岩が。

今は使われてなさそうです。

 

鳥居

石段を登り、鳥居をくぐります。一拝。

 

鳥居の左右で「狛犬」がお出迎え。

赤猪岩神社の狛犬より新しそうです。

 

拝殿

 

「拝殿」にて、神様に御挨拶。二拝二拍手一拝。

神社の戸がサッシが用いられている神社を拝見するのは、ブログ主は初めてです。

 

「拝殿」に向かって右側には、御由緒と絵画が掲げられています。

 

御由緒(クリックで画像が拡大できます)。

 

大国主神を蘇生させる場面が描かれた絵画も掲げらえています。

 

本殿

拝殿の裏に回り、本殿を拝見。

 

「大国主命蘇生復活の地」の碑

「拝殿」に向かって右側には、「大国主命蘇生復活の地」の碑と祠があります。

赤猪岩神社は「遭難の地」清水川神社は「復活の地」なんですね。

 

 

おわりに

大国主神の復活伝説を中心に、「赤猪岩神社」「清水井」「清水川神社」をご紹介してきました。

神域は、植生や水資源が豊かで木々の息吹を感じることができます。

動物の気配もそこかしこで感じられ、「赤猪岩神社」から「清水井」へ向かう途中、久しぶりに蛇にも出会えました。(本記事でご紹介した神様たちは、蛇を使いとしてませんが(笑))

赤猪岩神社は、復活と再生を期する方の参拝がやまないとのこと。

私のように挫折を味わった方、赤猪岩神社にお参りしてみてはどうでしょうか。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

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