自律神経は乱れがち。佐々井です。
今回、御紹介する書籍は「まんがでわかる自律神経の整え方」です。
著者は、小林弘幸さん(順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者)と一色美穂さん(漫画家)。
副題は『「ゆっくり・にっこり・楽に」生きる方法』です。
心身の不調の原因となる「自律神経の不調」。
この「自律神経ってそもそもナニ?」から「整え方」まで、マンガで分かりやすく説明してくる本書。
難しい説明は一切ないので、気軽に手に取っていただきたい1冊です。
それでは、御紹介していきます。
「自律神経」ってそもそもナニ?
この本の漫画を担当された一色さん。
齢34にして、
・肌荒れ・便秘・体重増加・免疫力低下
・疲れやすい・常にダルい
・覇気がない・情緒不安定
に悩まされる日々。。。
そんな一色さんに、小林先生が「その不調、「自律神経が乱れているから」なんです!」と喝破。
「え?自律神経って何?」な状態の一色さんに、小林先生がいろいろレクチャーしていくというのが、この漫画のテイストになります。
さて、「自律神経」ってなんでしょう?
一言で言うと「身体が自らコントロールしてくれている働きを司る神経」です。
例えば、以下のようなものを24時間休みなくコントロールしている神経のことです。
・心臓や胃腸を動かす。
・体温調整。暑いと汗をかき、寒いと震える・
・血液を流す。
・呼吸をする。
もう少し詳しく説明すると、「自律神経」は2つに分けられます。
「交感神経」と「副交感神経」です。
どう違うかは、下の表のとおりです。
神経 | 交感神経 | 副交感神経 |
イメージ | 車のアクセル | 車のブレーキ |
身体への働き | アクティブ | リラックス |
血管への働き | 収縮 | 適度にゆるむ |
血圧への働き | 上昇 | 下降 |
気分への働き | アグレッシブ | 穏やか |
「交感神経」は昼間によく働き、「副交感神経」は夜によく働くリズムになっています。
いわゆる「体内時計」のリズムを刻む要素が「交感神経」と「副交感神経」なんですね。
「自律神経の乱れ」の原因と影響
さて、前の項で紹介した「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れることを「自律神経の乱れ」といいます。
乱れる要因は、例えばこういうものです。
・過度なストレス
・不規則な生活、食生活の乱れ
・運動不足、睡眠不足
・喫煙や深酒
・季節の変わり目、気圧の変化
などなど
この要因により、自律神経が乱れると・・・
例えば、「交感神経が過剰に優位」になると、アクセル全開でブレーキが利かない車のような状態=情緒不安定、になります。
逆に、「副交感神経が過剰に優位」になると、なにもやる気が起こらなかったり、疲労感が続く状態=うつに似た状態、になります。
それでは、この「自律神経の乱れ」に対処する方法は無いのでしょうか?
あります!
次の項から、本書で紹介されている「自律神経を整える方法」の一端を紹介させていただきます。
自律神経を整える「今すぐ」できること
親指の力を抜く
気持ちが強張る・緊張する=交感神経が過剰な状態です。
そういう時は、身体が強張り、手も握りしめてしまってます。
こういうときは、逆に、意識的に力を抜いて、手を広げてみましょう。
特に、親指に力が入るとのことで、親指に意識を向けてみましょう。
水を飲む
「とりあえず水でも飲んで落ち着け!」
これ、真理のようです。
水を飲むことにより、胃腸を刺激して「副交感神経」の働きを高めてリラックスできます。
血流改善(血液サラサラ)の効果もありますしね。
上を向いて、ゆっくり深呼吸をする。
ゆっくり背筋を伸ばして、
肩の力を抜いて、
胸を張って、
自然な角度で顔を上げる(空を見上げるように)。
こうすることで、自然に呼吸が深くなります。
呼吸が深くなることにより「副交感神経」を高め、リラックスできます。
ゆーっくり深呼吸すると、なおよし。
「息を吸う」と「息を吐く」の長さの比率は「1:2」がいいと紹介されています。
4秒息を吸って、8秒吐く。という感じですね。
上記と逆に、顔を下に向け(うつむいて)、猫背になってしまうと、呼吸が浅くなり、血流も悪くなります。
こうなると、「交感神経が過剰」になってしまいます。
スマホを見続けたり、デスクワークが続くと、この姿勢になってしまうので、意識的に上を向くようにしましょう。
笑って、ゆっくり話す
まず、笑いましょう。
作り笑いをしてみるだけでも、口角が上がることで、顔の筋肉がほぐれてリラックスします。
さらに、話をする時は「ゆっくり」を意識して。
「交感神経が過剰」になると、過度な緊張から焦ったり、感情的になったりします。
そうすると、話し方も「早口でまくしたてたり」「イライラしているように聞こえ」たりしてしまいます。
「ゆっくり」を意識して、自律神経のバランスがとれるようにしてみましょう。
自律神経が整う「夜の過ごし方」
「早寝」をしましょう
ある意味、王道な対処法ですね。
自律神経=体内リズムのリズムに沿って生活しましょう、ということです。
就寝の30分前ぐらいには、心を穏やかにしておきたいですね。
スマホやパソコンのブルーライトや、SNSから浴びる多量の情報などは、「交感神経」を高めてしまい、「副交感神経」優位からくる「安眠」の妨げになってしまいます。
寝酒も、安眠にとっては逆効果。
ハーブティーなどがおススメです。
「夕食」はゆっくり食べよう
夕食だけではありませんが、「ゆっくり」くつろいで食べることが、自律神経的にも食事では重要です。
夜遅くの食事は胃腸に負担がかかるので、午後8時ごろにすますことが、本書ではオススメされています。
仕事などで「8時頃に食べれないよ!」という時は、分量を少なめにするなど調整しましょう。
また、よく噛んで食事をしましょう。
食べたものの消化に影響します。
夕食後から3時間は、腸が食べ物を消化する大事な時間。
この時間内に(食べてすぐ)寝てしまうと、栄養の吸収がうまくいかず、脂肪として蓄積されるほか眠りも浅くなってしまいます。
結果、翌朝に胃が重い状態で起きて、1日のスタートがいろいろ重たいことに・・・
「お風呂」はゆっくり湯船につかりましょう
お風呂をシャワーですます方もいらっしゃるかと思いますが、湯船につかりましょう。
39~40度くらいのお湯をはった湯船に15分程度つかるだけでいいんです。
血管が拡張し、身体が芯から温まって風呂上りもポカポカ感が続きます。
なにより、湯船につかることで「交感神経・優位」から「副交感神経・優位」へスムーズに切り替えられるそうです。
すなわち、湯船で入浴することで、安眠しやすい状態に持っていけるのです。
就寝時は「起きる時間を枕に誓いましょう」
寝る直前、枕に向かって
「私は明日必ず6時に目覚めます!」
と何回か繰り返しましょう・・・
いえ、オカルトとかじゃないんです。
起きる時間を「言葉に出すことで、大事なことと脳に記憶されて」何もしないよりは目覚めやすくなります・・・とのこと。
また、適正な睡眠時間というのは、個人差があって一概に言えないそうです。
日中に「寝不足」を感じないことが一番大事であり、その睡眠時間が適正、ということです。
夜勤の方の睡眠時間はどうしたらいい?
昼夜が逆になるお仕事をしていると、「必ず夜は寝る!」というのは無理ですよね。
この際は、生活のサイクルを6時間ごとに食事し、就寝前の食事は就寝3時間前にすませること。
食事→6時間→食事→6時間→食事→3時間→就寝
こうすることで、昼夜逆転のダメージは最小限にとどめられます。
自律神経が整う「朝の過ごし方」
「いつもより30分早く」起きてみよう
朝は、いろいろと忙しい時間帯だと思います。
忙しいから焦る。
焦ると、自律神経は乱れます。
ならば、使える時間を作ればよいのです。そのための早起きです。
時間に追われない朝を過ごすだけで、自律神経が安定した一日のスタートを切ることができます。
起きたら「水を1杯」飲もう
口をゆすいだ後、コップ1杯の水を一気に飲みましょう。
水分補給と、お通じの改善に効果があります。
「朝食」を食べよう。おすすめはヨーグルト
体内時計の正常化のため、朝ご飯は食べることがオススメです。
そして、腸内環境の改善のために「乳酸菌食品」を取り入れたいところ。
そういう意味では、ヨーグルトは手軽に食べられるのでオススメ、とのことです。
「乳酸菌」とならんで重要なのが「食物繊維」!
乳酸菌と食物繊維を組み合わせることでお通じに効果があります。
なお、「食物繊維」は「水溶性」のものであること。
例えば、納豆・キャベツ・大根・海藻類・かぼちゃ・熟したフルーツなどです。
自律神経は乱れてもいい
さて、本記事で紹介した「自律神経を整える方法」はいかがだったでしょうか。
どれも日常で取り入れていきたいものばかりです。
また、本書で紹介されている「整える方法」は、本記事で紹介しきれません(笑)
それでは、本書を手に取ることで、「常に自律神経を乱さないように生活」できるのか?
いやいや、「自律神経は乱れてもいいんです」
いや、もちろん、自律神経は乱れないに越したことはありません。
しかし、自律神経の乱れは、悪いことばかりではありません。
例えば、恋をしたときのドキドキ感や、映画を見たり、ジェットコースターに乗った時のハラハラ感。
こういった「適度なストレス」は、自分を成長させる要素にもなり得るし、楽しませる要素にもなるんです。
つまり、「ストレス=自律神経の乱れ」は、良い効果の時もあり、悪い効果の時もあるのです。
肝心なのは、「自律神経が乱れても、ちゃんと元のバランスに戻る力があるかどうか」!
ストレスが加わる
↓
自律神経が乱れる
↓
乱れていると自覚し、元に戻すよう対処する
この流れが重要なんです。
そして、「自律神経の乱れを自覚」するためには、「自分の身体の声を感じる」ことも重要です。
「考えるんじゃない。感じろ・・・」な感じで、自分と対話してみましょう。
また、本書の最後には、「ストレスを受けて不安・心配で心がいっぱいになった時」の対処として・・・
「まぁ、いいか。なんとかなる」
と思ってください、とのこと。
身もふたもない対処法が最後に来たなぁ・・・とも思いますが、本書が伝えたい大事なことは・・・
「ゆっくり にっこり 楽に」いこう
でした!
肩ひじ張らず、バランス感覚を持って、「イケイケ」と「ユッタリ」のバランスを適度に取っていきましょう!
※「なんとかなる」とはいっても、心身の不調が続く場合は、必ず医療機関で診てもらってくださいね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
ブログ主が、本書を読んで感じたのは、「ストレス社会では、竹のようなしなやかさが大切」なんだなぁ、と思いました。
「しなやかな竹」になるためのテクニックが、本書ではちりばめられています。
それに、シンプルなタッチの漫画で説明されていて、わかりやすいし、読みやすい!
「『自律神経が不調』とかよく聞くけどなに?」という方から、「心も体も整いたい!」という方まで、手に取っていただきたい、と思います。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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