(書籍紹介)もしも…に慌てない登山式DE防災習慣【鈴木みき】

書籍紹介

今回、ご紹介する書籍はこちら!

タイトル もしも…に慌てない登山式DE防災習慣
著者 鈴木みき(イラストレーター)
出版社 講談社
初版発行年月日 2020年11月3日

 

本書は、山好きのキャンプ好きな著者が、「登山を楽しむ」のと「防災準備」の親和性が高いことに気づいたことから、「登山を趣味とする=防災習慣がつく」ことを教えてくれる書籍です。

「防災の練習を兼ねて、山に登ってみませんか?」

「レッツ防災、レッツ登山!」

登山の装備を紹介するように、防災の装備・心得も具体的に紹介してくれるので、登山に全く興味がない方にもオススメしたい1冊です。

本記事では、本書の内容を紹介させていただきます。

 

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登山で防災力を高めませんか

登山歴22年のイラストレーターの著者。

東日本大震災は東京で被災。

また、札幌に引っ越した後に、北海道胆振(いぶり)東部地震を経験します。

その際、不思議と落ち着いて行動できたと言います。

「防災」については、「もや~っと気をつけないと、と思っていても具体策や行動はしていなかった」具合でした。

しかし、被災時に冷静に行動できていた……

これは、きっと「登山」をしていたから!と言います。

なぜなら……

登山は、常に目の前の状況に対して「安全」な方を選びながら行動します。

天候、時間配分、自分の体力を先読みする「危機管理能力」も必要です。

これは、「防災力」と似ているのではないでしょうか。

また、電気やガス、水道が使えないことも「山にいるのと同じ状況」です。

登山者のザック(リュック)のなかには、停電等に対応できる装備が入っているのです。

状況に寄りますが、知らない人と暮らす「避難所生活」をしなくても「自立避難生活」を送ることもできます。

避難の仕方は、災害の種類や規模、居住地や家族構成によって変わりますが、「登山」はいろいろと防災上で役に立つことうけあいです。

「防災グッズ」も使い方がわからなければ、意味がありません。

「防災訓練」もあるでしょうが、「防災」となると身構えがち……

でも、「登山」や「キャンプ」なら始めやすいかもしれません。

いつ来るか、来ないか、わからない災害。

おびえて防災をするのではなく、登山を楽しみながら備える……というのはどうでしょうか。

 

防災に役立つ登山装備

ここからは、防災を兼用できる登山装備をみてみましょう。

おおまかに「衣・食・住・歩」の4つに分かれます。

登山ウエアには、防水性・防寒性・伸縮性・速乾性・保温性・防臭性などの「機能」が、必ず1つ以上は備わっています。

(ゆえに少々高価ですが)

街でも重宝するフリースウエアやダウンジャケットは、登山でも大活躍。

厚手のものより、薄手のものを重ね着して調整するのが登山式です。

また、着替えをあまりしない(できない)時は、ウール素材が防臭性に優れてオススメです。

避難する時は、サンダルはもってのほか。

災害によっては、ガレキや割れたガラスなどが散乱している場合があります。

そういう時は、スニーカーでもいいのですが、防水性もある登山靴は安心感があります。

もともと、足場の悪いところ用の靴ですからね。

 

登山でも「テント泊登山」となると自炊装備を揃えます。

その登山用の「食」の装備も機能性にあふれています。

まずは、ガス缶とコンパクトストーブを合体させたコンロ!

コッヘル(クッカーとも)と呼ばれる軽量の鍋を使って煮炊きができます。

食材も災害用備蓄になる食糧が、登山の「食」を支えています。

アルファ米、インスタント麺・スープ、レトルト食品、フリーズドライ食品……

登山用語には、「シャリバテ」という言葉があります。

「空腹によるエネルギー切れ」のことです。

これを回避するためには、こまめに食べる習慣が大事になってきます。

このため、シリアルバー、ミニ羊羹、ドライフルーツ、スナック、おにぎり等々も活躍します。

 

登山用テントは、軽いのに風に強い!

1~2人用のテントが多く使われています。

キャンプ用テントは大きいものが多く、天井が高くて出入りしやすいです。

そして、テント登山と言えば、寝袋!

登山用の主流は、軽くて暖かい羽毛が主流です。

高価ではあるけれど、コンパクトに収納できるのも魅力。形は違えど、羽毛布団の1種ですから!

また、高原としてはヘッドライトが必需品。

ヘッドライトは、両手が使えて作業がしやすいので、停電時にも便利!

そして、家にある装備でテントにないものといえば、風呂。

登山では、濡らした手ぬぐいやデオドラントシートで拭きます。

以外かもしれませんが、拭くだけでスッキリします。(頭皮も)

トイレについては、「携帯トイレ=使い捨てトイレ」は、防災上のマストアイテム。

登山の山でも、最近は「携帯トイレブース」という専用の個室スペースが増えています。

登山に行った際に、携帯トイレに慣れておくのもいいですね。

 

「歩」は、山を歩く時に必要な装備です。

まず大切なのは「地図」。

登山では、整備された登山道が記された地図。

防災では、被害想定や避難所を示した「ハザードマップ」ですね。

また、登山用の杖である「ストック」。

足場の悪いところを歩く時に、バランスをとるために使います。

災害時は、足元が瓦礫の山だったり、水に使って歩く先が見えない時に使えます。

そして、救急セット。

登山でも、災害時でも、ケガの応急処置に必要です。

それから、「ホイッスル」。

山で遭難した時や、災害時にがれきに埋もれた際に、救助隊に位置を知らせるために使います。

ところで、登山者の誰もが持っているわけではありませんが、雪山登山用の装備(ピッケルやノコギリ(スノーソー)など)は、近所の人を救助する際に役に立ちます。

これは、DIY用などで工具を備えていれば、災害用も兼用できますね。

最後に重要なのが、「体力」と「気力」。

登山・災害時ともに、なくてはならないものです。

いくら、物質的な装備が揃っていても、この2つが無いと意味がありません。

登山で、体力と気力を底上げしておくのも、一つの手だと思うのです。

 

おわりに

鈴木みき・著「もしも…に慌てない登山式DE防災習慣」を簡単ですが、ご紹介いたしました。

本書には、この記事で紹介しきれなかった防災知識(ハザードマップの見方、非難のタイミング、自助・共助・公助の考え方、著者の登山式防災実践術)が、詳しく書かれています。

登山に今まで興味がなかった方、ちょっと興味がある方、「防災」の方だけ意識していた方、みなさんにオススメしたい1冊です。

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

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