(書籍紹介・要約)あした死んでもいい片づけ【ごんおばちゃま】

書籍紹介

今回、ご紹介する書籍はこちら!

タイトル あした死んでもいい片づけ 家もスッキリ、心も軽くなる47の方法
著者 ごんおばちゃま(お片づけブログ「ごんおばちゃまの暮らし方」主宰)
出版社 興陽館
初版発行年月日 2015年6月6日

 

本書の著者は、2015年に月間50万アクセスを超える人気ブログ「ごんおばちゃまの暮らし方」を運営していた関西在住の主婦。

ブログでは、主婦業で培った暮らし方の知恵を伝授していたとのことです。

(2022年、この紹介記事を書いている時点では、そのブログはもう閉鎖されたようです)

本書では、いわゆる「終活」のためだけでなく、日ごろの生活を軽やかに送るうえで「あした死んでもいいように片付ける」ことをオススメされています。

「ミニマリスト」という「モノを持たない生活をする人」にも通じるものが有ると思いますが、ただ「モノをもたないようにしよう」だけの本ではありません。

「モノが捨てられない親世代(戦中生まれ世代)」を持つ中高年に寄り添った「親のモノの片づけ」や、「老年前につくるエンディングノートの効能」といったことについても紹介されています。

「モノがない幸せ」を享受できるにはどうするか?を教えてくれる1冊です。

 

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「あした死んでもいい」心構えとは

「生前整理」なんていう言葉もあります。

自分が死ぬ前に、自分の所有物などを整理することです。

その背景にあるのは、「遺品整理で、遺族に迷惑をかけない」という気持ちがあるのでしょう。

 

しかし、本書の筆者がいう「あした死んでもいい片づけ」の背景にあるのは、それだけではありません。

自分の死期を感じる前に「片付ける」ことは、自分が死んだ後だけでなく、今を生きる、そして死ぬまで生きることにも良い影響を与えるのです。

 

このことについて簡単に述べた、本書の序文を引用させていただきます。

 

「いつ死ぬのか

10年先かもしれないし

もっと先かもしれません

 

もし

その日があしただったらどうします?

 

のこったのは片づかない部屋

こんがらかった人間関係

 

あした死んでもいいように

いまから片づけませんか。

 

スッキリ暮らせば

まわりにも迷惑をかけないし

自分の心も軽くします。

 

あした死んでもいい片づけで

幸せになりましょう」

 

ごんおばちゃま流「片づけ」とは?

「片づけ」を行うタイミング

年齢が何歳からでも「スッキリした暮らし」を目指すために片づける。

それが、ごんおばちゃまのオススメの生活。

 

そして、片づけは、思い立ったときが吉日

いつやるの? 今でしょ!

身体が動くうちに片付けるのが理想ですね。

 

モノが少ない幸せ

日々、自分の中の意識で「片づけなきゃ」と思っていませんか?

また、モノでゴチャついた部屋に住む人は、そのゴチャツキが頭の中のノイズとなって思考を邪魔するそうです。

その点、モノが少ないと、部屋だけでなく頭の中もスッキリ

スッキリと軽やかな生活を手にするには、モノを少なくするのが近道だそうです。

 

「モノが少ない生活」をするには

余分なモノは家に持ち入れない。

新しいモノは、今あるモノを大切に使い切ってから買う。

そのモノを買う時は、よく吟味すること。

家族構成によっても、モノの量は変わってきます。

そして、家族構成の変化に応じて、その都度モノを見直しましょう。

自分に子どもがいて、子どもが独立した時は、子どもの荷物は子どもに要・不要を判断させて整理してもらいましょう。

実家は「物置」ではないのです。

これは、自分と親との関係にも言えることですね。

そして、モノをいつも「抜く」ことを考えるのが大事。

 

この「モノを抜く」というのは、下記の4つのことを意味します。

1.譲る(捨てる代わりに無理に譲るのは避けましょう)

2.支援物資にする(大規模災害など)

3.売る(リサイクルショップなど)

4.捨てる(最終手段)

モノにあふれた社会で、モノを少なく、かつモノを無駄にしない生活をするには、こういった考え方が重要になっていくそうです。

 

「親が片付けられない人」だけど「親の家を片付けたい」の場合は?

「親の家がゴチャついている。親の安全のためにも片づけたい

そうした想いを持っている人もいらっしゃると思います。

親の世代は、「もったいない」精神が叩き込まれた世代でもあります。

そんな世代に、大上段から「捨てろ!」とは言えません。

言ったとしても、親との関係がこじれるだけ。

親のモノは、無理に一気に片付けようとしないことです。

言い方が失礼かもしれませんが、「遺品整理」としてじゃだめですか?

親と「捨てろ」「捨てない」と言い争うより、「捨てられない親」を反面教師にして、自分の襟を正すにとどめましょう。

物理的な片づけは、親が生活するうえで怪我の可能性があることに限定するなど、できる範囲のことを。

「片付かないのでスッキリしない!」は、親の死後に片付ける!と決めて、気持ちの整理をつけてみては。

 

「エンディングノート」のすすめ

「エンディングノート」とは、自分がもしものことがあった時のために伝えておくことをまとめたノートのことです。

年齢がそれなりに高くなった人以外でも、作る意味はあります

なにより、自分がいつ死ぬのかなんて、誰にもわかりませんから……

ともあれ、「エンディングノート」に備えるものとして紹介されている事項は以下のとおり。

・遺影用の写真

・自分の名前、生年月日、血液型、持病とかかりつけ医の連絡先

・自分の死を知らせてほしい友人・知人の連絡先リスト

・貯金通帳、株などの有価証券や投資、借金のこと

・生命保険、年金のこと

・ペットを飼っていればペットのこと

・携帯電話、パソコン、プロバイダーなどの各種サービスのID・パスワードのリスト

・葬儀についての希望(葬儀の規模や費用のことなど)

・遺品・遺産の分配の方法

 

これらの情報を1年に1度程度、更新していきます。

この更新作業を行うことで、今の暮らしとこれからの暮らしについて思いをはせるようになります。

そして、自分の死についても。

漠然と考えていた自分の人生について、考え直すいい機会となります。

パートナーや友人への感謝ができていただろうか?

不必要なサービスに入っていないか?

自分には、こんなに関係している人がいたのか

 

自分の人生の現在地、そして整理すべき、省みるべきことに気づくことがあると思います。

「エンディングノート」、つくってみませんか?

 

おわりに

ごんおばちゃま・著「あした死んでもいい片づけ」についてご紹介してきました。

著者のブログが、まだ健在の時に本書と出会っていれば、ブログも拝見できたのにな……と、非常に残念に思っています。

しかし、「片づけ」についての本で、「エンディングノート」の作成までオススメされるとは思っていませんでした。

「モノに対する片づけ」とともに、「人生の片づけ・棚卸し」も必要と教えてくれる1冊です。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました。

 

 

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