(書籍紹介)なんにもない部屋の暮らしかた【ゆるりまい】

書籍紹介

家の整理整頓が好きな佐々井です。

今回紹介する書籍は、ゆるりまい さんの著作「なんにもない部屋の暮らしかた」です。

副題は「シンプルに生きる7つの工夫」。

いわゆる「ミニマリスト」・・・いや、自称「なんでも捨てたくなる『捨て変態』」の著者は、お部屋で生まれ育った後、東日本大震災の被災を経て、念願の「なんにもない部屋」を手に入れました。

その「部屋」は文字どおりの「ガラーンとした」「モデルルームより物がない」部屋なのです。

その「なんにもない部屋」で生活を送るうえでのルールとその実態を紹介した書籍です。

ミニマリズムに興味のある方、必見!・・・・・というところでしょうか。

なお、前提として「持ち家(注文住宅)・住民は夫婦と妻側の母+猫数匹」という状況です。

それでは、私の感想も交えて紹介させていただきます。

よろしくお願いします。

 

 

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前説:著者が「なんにもない部屋」をもつに至った略歴

本記事の冒頭にも書きましたが、この著者の方、「本当のお気に入りのもの」以外は「捨てたくなる病気」にかかっている方です。

著者の生まれた家は、先祖代々から受け継がれていたモノに埋め尽くされた家。

しかも、もう使えないようなモノ(かびた布団など)も取っておかれている状況。

同居の母と祖母は「もったいない」精神の塊(特に祖母)で、例えば押し入れにモノが入らないと、押し入れの前に箪笥を置いて、またモノを入れていくという・・・

当初、それが「普通の家」と思っていた著者も、成長とともに「あれ?自分の家って汚家(おいえ=モノやゴミがあふれている家のこと)?」と気づきだします。

著者と母・祖母の「モノを整理(捨てる・捨てない)」戦争が勃発するが、なかなか状況は動かず・・・

そのうち、「汚家」で育った反動からか、極度の「モノは捨てたい」病になってしまいます。

そんな中、東日本大震災が発生!!

モノを溜めに溜め込んだ家は、大地震で崩壊。

モノの数々は凶器となって部屋中を暴れまわりました。

幸い、著者や家族にケガはありませんでした。

避難生活を経たのち、新居を建てて、著者とその婚約者と母・祖母の4人と猫たちで暮らすことに。

先祖から残っていたモノたちは、保存状態が悪く使用できないものが大半であり、崩壊した実家とともに処分されることになりました。

この機に、著者は新居を「モノにあふれた汚家」にしないよう、家族と話し合い、いろいろなルールを作りました。

母と祖母は、避難生活を経験し、生活に必要なモノは「実は少なくて済む」ことを体感したこともあり、著者の方針が家族の共通ルールとなりました。

こうして、著者は「モノが、なにもない家」を手に入れました。

来訪者がドン引きするような、生活感のないモデルルーム以上に「モノがない」家を・・・

・・・というのが、これから紹介する本の前日譚です。

この経緯は、この漫画で紹介されていますので、興味をお持ちの方はご一読あれ。

それでは、「なんにもない部屋の暮らしかた」を次項から紹介させていただきます。

これ以降の画像は、本書籍の写真の転載ではなく、イメージ写真です。(著作権の問題もありますし)

書籍では、実際のお部屋の写真が多数掲載されています。

実際の「ガラーン」具合は、書籍でご確認あれ!

 

 

「リビング」のルール

1.共用スペースであるリビングは、家族みんなが使うものだけ置く。

2.個人が使うものをリビングで使う場合は、自分の部屋から出して、使用後も自分の部屋に持ち帰る。

このルールにより、著者の家のリビングで常駐するモノは、「食卓用のテーブルとイス」「壁掛けテレビ」「テレビのリモコン」「ティッシュペーパー」ぐらいなものに!

(冬は、流石にコタツが登場するとのこと)

まさしく、「ガラーン」なお部屋!!

家族は、自分の部屋から座布団を持ってきて座ったり、本やDVDを持ってきてテレビで見たり。

もちろん、リビングから離れるときは、持ってきたものも一緒に持って出ます。

来客時は、折り畳み式テーブルを別室から出してきて談笑したり。

このルールに慣れると、掃除は楽だし、風通しもいいし心地が良い空間だとか。

また、人も多くは入室できるし、いつも片付いているので、「友人に遊びに来てもらいやすい」という利点も。

掃除は(日頃から楽にできるので)行き届いていますし。

 

 

「キッチン」のルール

前提として、家族全員がキッチンを使用(料理)する家庭、ということです。

そして、著者のこだわりで「キッチンの道具も家具も収納スペース(パントリー)に格納」しています。

この「こだわり」を維持できるように以下の2点をルール化されています。

1.家族が道具を使ったら、しまうのは強制しない(出しっぱなしOK)

これは、著者の「こだわり」を維持するため、片付けは基本的に著者がすることに。

2.家族が家具・道具を使いやすいような場所に家具・道具の格納場所を工夫する。(動線が大事)

3.すべての家具・道具を「お気に入りのもの」だけに絞り込み、少数精鋭化。

それをパントリーにすべて格納する。

(調味料は、すべて冷蔵庫にしまっているそうです。)

これらのルールにより、キッチンもモノが雑然と置かれないようになり、視界がスッキリ!

また、このルールで生活しているうちに、家族が家具・道具の配置に慣れて、自分でも片付けるようになったとか。

そして、「がらーん」としたキッチンになったため、リビング同様「掃除が楽」に!

モノが少ないので、掃除が楽。

そもそも、汚れがシンクなどで飛び跳ねても、付近にモノがないため付着するものがない。

このため、不衛生な虫も湧かない!

キッチンのルールを決めたことの成果は、「視界すっきりキッチン」にして、家具・道具を厳選化したら「家事効率化」と「清潔感」に繋がった!ということでした。

 

 

「クローゼット」のルール

著者の家では、ウォークインクローゼットがあるそうです。

クローゼットでのルールは、リビングとほぼ同様です。

1.各自の服は、全て(下着、洋服、アウター、バッグ、靴などなど)1ヵ所にまとめて管理する。

2.季節の変わり目が来ると、「次のシーズンも絶対に着たい!」という服を残して処分!

(さすがに、この2のルールは著者だけに適用)

1のルールには利点があって、いわゆる在庫管理がしやすい、とのこと。

今ある服が把握しやすくなったため、同じような服を買うことが無くなるという経済的効果と、「モノを持たない」という生活の維持効果の相乗効果が出たそうです。

2のルールについては「そんなことできるのは金持ちだからじゃない?」とも思えます。

著者も「極端な管理法」と自認しておりますが、服をそんなに保有しないため、1シーズンで着倒してしまうとのこと。

このため、「着倒してくたびれた服をシーズン終わりにまとめて処分する」ということでしょうね。

 

 

「洗面所」のルール

小物や花で飾らない。(掃除の手間が省けるから)

・ボディータオルを使い倒すことにより、洗濯が大変&かさばる「バスタオル」と「バスマット」を全廃して、洗濯の省力化と「モノが少ない」生活の維持を達成。

ここも「リビング」や「キッチン」と同じようなルールと、その効果ですね。

いやー。徹底されてますね。

 

 

「仕事部屋」のルール

ここでいう「仕事部屋」とは、著者の仕事部屋のことです。

また、猫を室内で飼っており、よく遊びに来るという部屋とのこと。

「視界に余計なものを入れない=集中力を保つ」ため、「がらーん」とした部屋にする。

ネコが誤飲しないよう、余分なものを置かない

上記のルールにより、仕事机の上にはパソコンとデスクライトのみ。

仕事に必要な道具類や、なんとプリンターまで(!)ベンチ型収納の中に・・・

このため、「仕事部屋」で視界に入るのは、仕事机、椅子、パソコン、デスクライト、ベンチ型収納のみ。

徹底した「ガラーン」仕様ですね!

また、2022年現在では普及していますが、その10年以上前から、書籍や音楽CDなどは全てパソコンやスマホで楽しむようにされているそうです。

ここからはブログ主の感想ですが、学生の頃、テスト勉強をしようとすると、机の周囲や部屋の模様替えを無性にしたくなったことはありませんか?

私はあります(笑)

誘惑にのって整理整頓はバッチリに、でも、テストはボロボロに・・・ということがしばしば。

この対策として、部屋にあるモノを極限まで減らしてしまえば「整理する物が無い!」となりますね。

確かに、「がらーん」とした部屋には、「集中力を高める」という効果はあると思います!

 

 

「寝室」のルール

なんと、「(夫婦の)寝室」にあるのは「ベット」だけ!!

ティッシュなども置いてないそうです。

理由は下記の2点。

1.地震対策のため。

人間が一番無防備でいる状態、それは睡眠時です。

その睡眠時に、すこしでも安全性を高めようとした結果が、「寝室はベットだけ置く」だったとか。

2.(何度も繰り返し出てきますが)掃除が楽だから

寝室は「ほこり」が出やすいため、特に掃除の省力化を図りたかったとか。

このため、ベット下の収納などもない!とのことです。

3.前述のルールと同じようですが、就寝前に持ち込んだアイテム(本など)は、翌朝にすぐ片付けること。

ブログ主も、「家具や収納がほとんどない部屋を作るのは、地震対策に非常に有効」だと思います。

真似することは難しいけど、憧れます・・・「がらーん」とした寝室!

 

 

同居家族へのルール

ここまで、家のほぼすべての部屋で「各自の持ち物は共用スペースに常駐させない」というルールがありました。

このルールを維持するため、「各自の部屋の家具配置・モノの所持などに、他の家族は口を出さない」というルールも設けられました。

やはり、パーソナルスペースは、おのおののペースやスタイルで整えたいですよね。

家族と言えど、自分以外の人からプライベートゾーンは干渉されたくないもの。

これは「がらーん」とした部屋を目指さなくとも、どの家庭にも、ある程度共通して言えることではないでしょうか。

 

 

おわりに

さて、自称「捨て変態」ゆるりまい さんの著書「なんにもない部屋の暮らし方」について紹介させていただきました。

今回紹介させていただいた、ゆるり家のルール以外にも、「がらーん」とした家を実現させて自分に起きた変化も紹介されています。

・掃除が好きになった

・早寝早起きできるようになった

・姿勢が正しくなった

・日々の動作が丁寧になった

・お金が貯まるようになった

・・・という5大変化だそうです。

なぜ、そうなったのかは、本書を読んで確認してみてください!

ほかにも、汚家時代から著作発刊時点に至るまでの、自分のファッションとその考え方の変遷をコラムにされていたりします。

さて、ちょっと極端な例かもしれませんが、家の掃除や収納で悩まれている方に、「こんな生き方もある」という事例本として、おすすめさせていただきます。

ブログ主も、この紹介の記事をつくりながら、自分の私物で「もういらなくなったモノ、無いかな・・・」と、さっそく触発されております。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

 

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