(書籍紹介)バナナを逆からむいてみたら【アーチャン・ブラーム】

書籍紹介

書籍紹介のブログをしております佐々井と申します。こんにちは。

 

今回、ご紹介するのは、アーチャン・ブラームさん著・畔上司さん訳の「バナナを逆からむいてみたら」です。

副題は「人生の視点を変えるレッスン」。

著者の、アーチャン・ブラーム(本名:ピーター・ベッツ)さんはイギリス生まれの仏教僧侶です。

タイで修業の後、オーストラリアで仏教の布教に尽力された方です。

本書は、僧侶のアーチャン・ブラームさんが語られた実話や物語が集められています。

 

いわゆる説話集や法話集といったジャンルになるでしょうか。

そう書くと、「堅苦しい話」に感じられるかと思いますが、そうではありませんよ。

 

仏教的な用語は出てこず、誰にでも理解でき、語りかけてくるような話ばかりです。

副題の「人生の視点を変える」きっかけを与えてくれる1冊となっております。

 

本書をオススメしたい方はこちら。

人生に閉塞感を感じている方
新しい視点を持ちたい方
「軽い心」を手に入れたい方

 

それでは、ご紹介していきます。

 

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本の構成とタイトルについて

この本の構成

本記事の冒頭で紹介したとおり、著者が体験した実話や寓話のような物語が集められた本書。

収録されたお話は、全部で32話。

章は以下の5つに分かれています。

・第1章「すべてがうまくいく心の持ち方」・・・6話

・第2章「人生で本当に大切にしたいもの」・・・7話

・第3章「手放すことはコワイけど、手放せばラクになる」・・・6話

・第4章「人間関係の悩みがなくなる」・・・7話

・第5章『「不安のない穏やかな心」でいるために』・・・6話

挿絵もあり、強調される箇所には黄色のマーキングあり。

仏教用語はなく、表現もわかりやすく、非常に読みやすいです。(ルビまではありませんが)

 

タイトルの「バナナを逆にむく」とは

本書のタイトルの「バナナを逆からむいてみたら」という話は、実は「はじめに」に収録されている話です。

文字にして2ページ分。

 

いわゆる、本書の導入部分にあたる話なんですね。

バナナを向く方法は、房と繋がっている方からむきますよね?

ところが、バナナが大好きなサルは、逆の先端(端っこ)からむくんです。

バナナの先端を両手で持って、左右にパカッと開きます。

「サル方式」を実際にやってみると、あら簡単!

きれいにバナナをむくことができます!!

このお話、要するに「バナナ=人生」なんです。

人生、視点を変えるとラクになることもあるよ!ということなんですね。

その人生ラクになったお話を32個紹介しますね、というのが本書なのです。

 

収録エピソードの紹介「ある尼僧の話」

第2章「人生で本当に大切にしたいもの」に収録されているエピソードです。

あるところに、善良な尼僧(女性の僧侶)が質素に暮らしていました。

洞窟に住み、食事は近くの村に托鉢(たくはつ)にいき、食べ物をいただくかわりに村人に、自分の信じる宗教の瞑想を教えてして過ごしていました。

ある日、尼僧が村から戻ると、衣服にネズミがかじった穴が開いていました。

ネズミが衣服に穴をあけるのは初めてではなく、いつものように繕っていましたが、ふと気づきます。

ネコを飼うと、ネズミはいなくなって衣服を繕わなくて済む

そこで、尼僧は村人からネコを譲ってもらいました。

すると、ネコのためにエサのミルクと魚が必要になりました。

尼僧は、さらに村人から、毎朝ミルクと魚をもらうことになりました。

しばらくして、尼僧は考えました。

ウシを飼えばいい。村人からミルクをもらわずに済む」

そこで、尼僧は村人からウシを譲ってもらいました。

すると、ウシのエサとなる牧草が必要になりました。

尼僧は考えました。

「牧草を村人から貰わなくても、牧草地を自分で持てばいい

そこで、尼僧は牧草地を買うお金をなんとか集めて、牧草地を購入しました。

しかし、牧草地の手入れとウシの乳しぼりは大変な作業でした。

尼僧は考えました。

ウシつかいの少年を雇おう! 給料の代わりに少年には『ためになる話』をしよう!」

そこで、尼僧は、村人から少年を1人紹介してもらいました。

しかし今度は、自分と少年の分の2人分の食料と、少年の寝る小屋が必要になりました。

宗教の戒律上、女性の尼僧と男性の少年が一緒に寝られなかったからです。

少年が寝泊まりする小屋を建ててもらおう!」

尼僧は、村人たちに小屋を建ててくれるようお願いをしました。

こうして、尼僧はネズミを駆除するために、今までの倍の食べ物と小屋、ネコとそのエサ、ウシと牧草地が必要になったのです。

 

このころになると、尼僧は村人から避けられるようになったことに気づきます。

いろいろと便宜を図ってもらうよう頼みごとを続けたからです。

さらに、ある時、1人の村人が尼僧に瞑想について質問をしました。

ところが、尼僧はこう言いました。

「すいません。今は忙しいのです。村人たちが少年の小屋をキチンと建てているか見に行かねばなりません」

・・・あれ? 尼僧さん。本来の使命はなんでしたっけ?

・・・・私の生活はモノ中心になってしまっている!!

このことに気づいた尼僧は、小屋を建てるのをやめ、少年を家族のもとに返し、ウシと牧草地を手放し、ネコの飼い主を見つけてもらいました。

 

 

尼僧は、もとどおりの質素な生活を送るようになりました。

今日も、尼僧は静かに微笑みながら、ネズミが衣服をかじって開けた穴を繕っています。

・・・本書で紹介された、このエピソードは、尼僧のほほえみで終わっています。

 

「だからなに?」

 

「何が言いたいの?」

 

そういった「結論めいた事」は、本書には載っていません。

他のエピソードでもそうです。

本書が送る32個のエピソードに込められた「メッセージ」というのは、「人それぞれに異なり、それはそれでよいのだ」と著者は考えられているのではないか、とブログ主は愚考するものです。

 

 

おわりに

「バナナを逆からむいてみたら」をご紹介させていただきました。

いかがだったでしょうか。

本書の語られ方が平易な分、「ふーん」と聞き流すように受け取る方もいらっしゃるかと思います。正直。

しかし、そういった場合でも、この本の内容を頭の片隅にでも置いておくと、あとからじんわり効いてくる、というか染み込んでくるかもしれません。

1度読んでみて、しばらく経ったら、また読み直してみたくなる。

ブログ主には、そう感じられた1冊でした。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

 

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