(書籍紹介)半分、減らす。【川野泰周】

書籍紹介

この本は、精神科医でお坊さん(禅僧)の著者が、豊かでシンプルな生き方を紹介してくれる本です。

 

「モノ」「食事」「買い物」「ネットやSNSの利用」「仕事」を半分に減らすと、日々の生活にゆとりが生まれます。

その具体的な方法を、仏教の考え方も交えて解説してくれる1冊です。


本記事では、この書籍を簡単にご紹介します。

 

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半分に減らす目的・メリット

「情報化社会」と言われて久しい昨今。

現代人は、仕事も、食事も、買い物も「やりすぎ」ています。

 

そのため……

・働きすぎで病気になる

・SNSを気にしすぎて自分を見失う

・食べ過ぎ&飲みすぎで病気になる

・モノをため込みすぎて生活環境が乱れる

あなたは大丈夫でしょうか。

こうしたことにならないよう、ざっくりだけど分かりやすく「半分」にしてみませんか。

「心身にいいこと」をしながら「財布にも余裕」が生まれてきますよ。

 

「モノ」を半分、減らす

「モノ=物質的豊かさだけでは、必ずしも幸せにはなれない」

そういったことが、近年、行動経済学などの研究でわかってきています。

また、家に「モノ」が溢れかえるほどになると、逆に不幸せを感じることも。

そして、「モノ」が増えれば増えるほど、その持ち主の注意力や集中力が消費されるという悪影響があります。

 

では、「モノ」はなぜ増えるのか。その原因は……

買いすぎ

ためこみすぎ

ちらかしすぎ

のいずれかです。

 

その対策としては……

・買いたい衝動の沸点をやりすごして「買うもの」を見極める

捨てる。ただし機械的に捨てる・捨てないを判断しない。

・まずは、目に入る場所の「モノ」から減らす

と言ったことが考えられます。

本書では、著者の「本の整理法」が紹介されるなど、具体的な手法も紹介されています。

また、昨今の「断捨離」ブームによる「捨てる快感」がフォーカスされていますが、捨てすぎに注意。

捨てる快感に踊らされず、マインドフル=集中して「モノ」に向き合って、手放すかどうかを判断していきましょう。

 

「食事」を半分、減らす

健康に悪い「暴飲暴食=食べ過ぎ・飲みすぎ」

その原因としては、

早食い

ながら食い

ドカ食い

……が考えられます。

これらは、仕事や人間関係のストレスだったり、食事中のSNSやテレビが原因と考えられますが、要するに「食事に集中していない」のです。

 

この対策として、まずは「食事に集中する」です。

せめて、最初の三口は「食べることに集中」します。

食べるスピードを落とし、ゆっくりかんで味わって、丁寧に食べましょう。

これを習慣化できると、結果的に食べるスピードや量が減っていくことでしょう。

また、家での飲酒などに効果的なのが「まとめ買いをやめる」こと。

「都度買い」にすれば、「あるだけ飲める」がなくなり、1回1回の摂取量が減っていきます。

食材にしても一緒で、賞味期限切れからくるフードロスを防ぐことが「都度買い」でできます。

「安いからまとめ買い」をいったんやめ、本当の適正量を測ってみては如何でしょうか。

「消費」を半分、減らす

戦後から続く「大量生産・大量消費」の時代。

地球環境の面から、その時代を終わらせようという動きがありますが、個人の生活にしてもしかり。

買い物を抑え、ごみの排出を抑えると、環境にも財布にも優しくなります。

具体的には、安物を何回も買ってコストが上がるより、ちょっと値が張っても長く使える物を買う

衝動買いをしないよう「ECサイトで購入する(ポチる)前に、一晩おいてみ」てから買うか決める。

不要となったものはリユースに回す

などなど。

本書では、「買わなくて済んだ&やらなくて済んだ日記」というユニークな手法も紹介されています。

普通、日記とは「やったこと」を記録するもの。

ところが、「済んだ日記」は、「(買い物などの消費行動を)やるのを思いとどまった」を記録するというもの。

自分が努力して「行動を抑制」するほうも、しっかり自分でほめてあげる機会を作る、というのが目的なのです。

 

「情報」を半分、減らす

スマホやPC、タブレットの使い過ぎは、目と脳が疲弊する。

よく言われていることですが、ではどうすればいいか?

 

本書では、以下のような対策が紹介されています。

・寝る前のスマホを控える=枕元にスマホを置かない

・使用頻度の高いアプリに使用時間制限をかける

スマホの通知をオフにする

・使うSNSを半分に減らす

また、デジタル疲れを感じた時の対処法として……

・SNSやネットにおぼれていないか自問自答する時間を作る

・仕事はシングルタスク、画面はグレースケール、デスクトップを整理して、頭に入る情報を減らす

・散歩やキャンプなど自然のなかに身を置く

瞑想をする(スマホの瞑想アプリがおすすめ)

かのスティーブ・ジョブズも

「我が子にはiPadをそばに置くことすらしない」

と言っていたとか。

デジタル社会が進行し、目と脳がオフになる時間がなくなっていないか、チェックした方がよいでしょう。

 

「仕事」を半分、減らす

ワークライフバランスが叫ばれて久しいですが、仕事をしすぎていませんか?

 

仕事を減らす方法として……

・仕事を人に任せる

・仕事を「無条件」に引き受けない

が紹介されていますが、これらをなぜできないのか?

 

それは……「自己肯定感が低い」こと!

自己肯定感が低いと、自分を信じれず、他人も信じられません。

自己肯定感を上げるには、「心のゆとり」を持って生活しましょう。

また、「仕事を減らす」と同じ効果をもたらすのが「仕事を効率的にする」こと。

以下のようなことに気をつけましょう。

 

・マルチタスクをシングルタスクにする

集中力がある間に仕事を進める。集中力が切れたらさっと休憩する

・仕事の優先順位と状況に応じてエネルギー配分を行う

・仕事をおもしろがる(いつもと異なるやり方をしてみる、プロセスを楽しむ等)

 

仕事のオン・オフを上手に切り替えて、能率や生産性をあげていきましょう。

 

生活に「自利自他」の精神を

最後に、お寺の住職でもある著者らしく、仏教の教えをご紹介。

自利利他の精神」、というものが仏教にはあります。

「他の人の利益=喜びは、自分の利益=喜びでもある」ということです。

世のため、人のために行動すると、自分の幸せにつながるのです。

そして、著者は「逆もしかり。自分がやりたいこと、楽しいことをすれば、人に喜びを与えられる」としています。

「自利利他」がいう人々の喜びとは、自分の仕事や趣味の延長線上にあるのかもしれません。

いろいろ「半分減らす」ことで、「生きがいを2倍に増やし」ましょう。

 

おわりに

著・川野泰周「半分、減らす」を簡単ですが、ご紹介いたしました。

 

「ミニマリスト」「断捨離」と、いろいろなものを減らすことに注目が集まっています。

「減らす」ことは、モノや情報が増えすぎた現代の処方箋かもしれません。

 

ただ、「減らす」ことにも依存症があるようです。

本書でも「捨てすぎ」「捨てる快感」に警鐘を鳴らしています。

なにごとも「中道(ちゅうどう。行き過ぎないこと)」が大事。

バランスをとって、幸せをつかみに行きたいところですね。

 


ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

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コメント

  1. ほげー より:

    なんでも多いより、半分がいいですな。
    頑張る気持ち!半分
    自分がしなければ!半分
    思い悩む気持ちも半分
    なんでも今日から半分精神でやっていこうかな。と思った内容でした。
    1番大事だけど、なかなかできない難しいところ。

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