投資の勉強1年生の佐々井です。
投資信託に関する単語などを調べて記事にしていくシリーズ第4弾です。
過去の記事はこちら。
今回の記事は、「投資信託の仕組みの話でよく出てくる『為替ヘッジ』ってなに?」について書いています。
『為替ヘッジ』という用語は、海外の株式や債券、不動産を取り扱う金融商品(ファンド)の説明で出てくる言葉だと思います。
『為替』という単語が使われているため、ぼんやりと「為替レート」とか「円安ドル高」「円高ドル安」といった言葉が関係してきそうな気はしますよね。
では、具体的に『為替ヘッジ』とはなんでしょうか?
そして、その『為替ヘッジ』を行うことのメリット・デメリットはなにか?
さっそく、みていきましょう。
『為替ヘッジ』とはなにか
最初に結論「為替ヘッジは、為替レートによる資産の増減を抑えるもの」
結論から書くと「その金融商品の資産価値に対する為替レート変動の影響を抑える仕組み」のことです。
海外の株式や債券、不動産等が投資対象だった場合、一般的には、その国の通貨で取引が行われます。
その取引には、その取引時の為替レートが影響します。
例えば、米国の株式の取引には、円/米ドルのレートが影響する、という具合です。
このことにより、日本で「円で投資したファンドの価格」と、投資先の国で「現地通貨のファンドの価格」は、「そのファンドの価値」+「円高or円安の影響による差益or差損」で、資産価値が変動する要素が2つあることになります。
例えば、100円で購入した、海外のA社の株式が、株価は変わらない時も為替レートの影響を受けると、時に110円の価値に、時には90円の価値になるわけです。
この動きについて、投資者側から見ると「金融商品の価値が変動する要素が多いと状況が把握しずらいな。」などと感じる人も出てきますね。
そこで、『為替ヘッジ』の登場です!
『為替ヘッジ』が行われているファンドでは、将来発生するであろう為替レートによる影響を、あらかじめ考慮した(上乗せした)取引額で取引ができます。
先ほどの例えで行くと、海外のA社の株式に100円で投資した後、将来円高の影響(だけ)で株価が90円になるとします。
この際、『為替ヘッジ』を行っているファンドでは、A社の株式が100円で購入した後、円高になってA社の現地価格が90円相当になっても、投資者側の資産価値は100円のままというわけです。
『為替ヘッジ』のコスト
もちろん、『為替ヘッジ』はタダで利用できる、というおいしいサービスではありません。
『為替ヘッジ』には、当然コストがかかります。
コストは、為替レートがダイレクトに適用されるわけではなく、「日本円の短期金利と、外国通貨の短期金利の差」がコスト算出の基になります。
先ほどの例えを続けると、日本の短期金利が年1%、A社が存在する国の短期金利が年2%とします。
1年後の為替レートの予測は1%の誤差ですから、取引時にかかる為替ヘッジコストは1円(株価100円×(2%-1%))となります。
さらに付け加えると、日本や他国の中央銀行の政策金利が変動すると、連動してヘッジコストも変動する場合があります。
「為替ヘッジあり」のファンドを購入しても、為替に関係する動向は注視していく必要がありますね。
『為替ヘッジ』が行われる商品のメリット・デメリット
それでは、『為替ヘッジ』の有無で生じるメリットとデメリットを表でまとめてみました。
為替ヘッジ | あり | なし |
メリット | ・海外の資産へ投資した場合、その基準額への、為替レートの変動の影響を抑えることができる。
・投資後、そのファンドの評価がしやすい。 |
・為替ヘッジコストがかからない
・資産取得後、円安が進行すると為替差益が発生する。 |
デメリット | ・為替ヘッジコストが取引時にかかる
・資産取得後に円安が進行しても差益は生じない。 |
・海外の資産へ投資した場合、その基準額が、為替レートの変動の影響を絶えず受けることになる。
・資産取得後、円高が進行すると為替差損が発生する。 |
備考 | ・日本円の金利が外国通貨の金利より高い場合は、差益が生じるケースがある。これを『為替ヘッジ・プレミアム』という。 |
終わりに
いかがだったでしょうか。
金融商品のコストを計算・比較したりする際に、こうしたファクターの把握は重要だと思われます。
今後も、資産運用に関する用語について勉強して記事にしていきたいと思います。
再掲ですが、過去の記事はこちら。
今後とも、本ブログをよろしくお願いします。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
関連記事(投資信託)
コメント