【鳥取県大山町】登山初心者が、春の伯耆大山(弥山)に登ってみた

山陰遊覧

中国地方最高峰の山「大山(だいせん)」。

神奈川県の「大山(おおやま)」と区別するため、「伯耆大山(ほうきだいせん)」とも呼ばれます。

その伯耆大山を仰ぎ見て生活する者として、いつか登ってみたい山でした。

2023年5月24日(日)に実際に登山しましたので、ご紹介します。

 

スポンサーリンク

大山について

鳥取県を代表する大自然として、東の鳥取砂丘と並ぶ、標高1,709mの火山。

山頂から見て北西側の山麓から山頂を仰ぎ見ると、日本が誇る霊峰・富士山に似ていることから「伯耆富士」とも。

山岳信仰の舞台でもあり、山中・山麓には寺社が多く鎮座しています。

山の名前 大山(だいせん)
標高 1,709m
(いくつかある山頂の1つで、弥山(みせん)と呼ばれる今回アタックするターゲット)
住所 鳥取県西伯郡大山町大山
登山口までのアクセス 山陰自動車道「米子」JCTから自動車で約20分
駐車場 夏山登山口の付近に、複数の駐車場あり
登山口に最も近いのは南光河原駐車場(30台程度)
なお、12月下旬~3月中旬以外は無料のところがある
トイレ 山頂の避難小屋にあり

 

大山の風景

2023年5月24日(日)、気持ちよい青空の下で大山登山に出発!

パーティ編成は、佐々井家4人(中年男女+小学生2人)と友人1人(中年男性)の5人。

登山に興味が出たのは今年から、という初心者パーティです。

県営大山第2駐車場

自家用車を走らせ、大山の夏山登山口に近い駐車場へ。

駐車場は、登山口周囲にいくつかありますが、今回は「県営第2駐車場」に停めました。

この駐車場で下車し、登山口まで少々歩きます。

(この日の天気は良好で、登山口に近い「南光河原駐車場」は混んでいると予想して利用を回避)

駐車場名 県営第2駐車場
住所 鳥取県西伯郡大山町大山
料金 12月下旬~3月中旬は有料
それ以外の春~秋は無料

 

駐車場から仰ぎ見る、大山の雄姿。

う~む、「あれをこれから登るのか」と、少々気後れ。

 

南国河原駐車場(登山届・一木一石運動)

夏山登山口に向かう途中、南光河原駐車場に通りかかります。

この駐車場に立ち寄り、2つのミッションを行います。

 

ミッション1つ目は、登山届を出すこと。

Webで届けを出すこともできますが、この駐車場で記入・ポスト投函することもできます。

 

もう1つのミッションは、「一木一石運動」に協力すること。

 

「一木一石運動」とは、大山の山頂から転げ落ちた多数の石を、登山者が登山時に持って上がり、山頂の環境復旧・維持に協力することです。

 

ブログ主も「一木一石運動」案内看板の下に積まれている石を1つ、バックパックに忍ばせて出発!

 

夏山登山口

南光河原駐車場の近く、舗装された歩道から分岐する山道=「夏山登山口」があります。

さぁ、ここから登山道です。

 

深緑がまぶしい山道を上がっていきます。

階段が整備され、登りやすい道になっています。

 

1合目

歩き始めて、ほどなく1合目に到着。

 

1合目は、いかにも「森の中」といった風情。

ブナ林の高い木立ちで、眺望は望めません。

 

2合目

2合目に到着。景観は1合目と、あまり変化はありません。

相変わらず、森の中です。

 

3合目

休憩をはさみつつ、3合目へ。

天候に恵まれた日曜日ということもあってか、行き交う登山者と頻繁にすれ違います。

 

3合目からの眺めですが、じょじょに木立ちの間から下界が見下ろせるようになりました。

 

さぁ、階段状に整備された山道をドンドン進みます。

 

4合目

4合目。1合目から、ずっと森の中を登っている感じです。

森林浴ができて嬉しい♪(ただし、息が切れている)

 

5合目・山の神さん

5合目。ようやく山頂までの道半ばに到達!

4合目までと比べ、木立ちが開けてきたので、山麓の景色が見えることが増えてきました。

「高い山に登っているなぁ」といった実感がわいてきました。

 

5合目の標識そばには、「山の神さん」という登山の安全を祈る祠がたたずんでいます。

 

かつて、5合目には、朝日を拝む遥拝所があったとか。

その故事にちなみ、平成3年に社が再建されたとのことです。

 

行者谷別れ

5合目から、さらに上へ進むと「行者谷別れ」という看板と交差点が。

ブログ主たちが今登ってきた「夏山登山道」と、別ルート「行者登山道」の合流点です。

行者登山道は、かつて修験者が修行として駆けていたという山道です。

 

「行者谷別れ」を通り過ぎると、木々が低くなり、陽光がまぶしくなってきました。

 

6合目・避難小屋

6合目に到着。

 

米子市・境港市がある北西方向をみると、日本海まで見渡せる高さまで登ってきたことを実感できます。

 

さて、6合目には避難小屋があります。

ブログ主の登山時、避難小屋には「携帯トイレ用個室」が設置されていました。

(携帯トイレの販売もありましたが、ブログ主は登山前に100均で購入し、携行しました)

 

避難小屋近くからは、大山の稜線と、大山に連なる山々が望めます。

ここで、休憩や写真撮影をする登山者の姿が多くみられました。

 

まとまった休憩をした後、6合目を出発。

登山道が、6合目以下より「石」が目立つようになった気がします。

 

山頂付近で群落している「ダイセンキャラボ(国の特別天然記念物)」の姿も、ここからちらほら見かけるようになりました。

 

7合目

7合目。この辺りまで来ると、背の高い木は、ほぼありません。

直射日光を浴びながら、日焼け止めを塗ってこなかったことを後悔。

 

7合目からの眺望。

北西方面は、はっきりと弓浜半島と島根半島が視認できます。

 

7合目から、登山道の先をながめると、先を行く登山者の後ろ姿がちらほらと見えます。

どんどん、植物の背が低くなり、登山道も稜線に沿っていくのを実感。

 

石の山道を、また登っていきます。

 

登山道がカーブするところで顔を上げると、視界いっぱいに青空が広がることも。

山道と崖をさえぎる木立ちや柵がないので、危ない、とも景観がいい、とも感じられます。

 

8合目

なんとか、8合目までたどり着く。

 

ダイセンキャラボクの向こうに、下界を見渡せます。

いやはや、思えば高くに来たもんだ。

 

8合目から先は、稜線に沿ったような、視界の開けた道になります。

登山道の傾斜の具合が、段々と緩やかになっており、歩くのが楽に、そして気持ちにも余裕が。

今まで以上に、周囲の風景を楽しみながら歩んでいきます。

 

しばらくして、ダイセンキャラボクの群生地に到達。

植物保護のために敷かれた、人がすれ違える程度の幅の高架道路を歩いていきます。

 

周囲の景観などから、「山頂が近いんだな。よくここまで歩いたな」と、気が抜けそうになります。

しかし、ケガが怖いので、気を引き締め直して歩き続けましょう。

 

9合目

木道の途中で、9合目の標識がありました。

 

9合目の先には、稜線の上(の木道)を歩く登山者の姿が点々と。

山頂まで、あともう少し。

 

山頂・避難小屋

9合目から歩を進め、避難小屋を通り過ぎた先に、大山(弥山)の山頂の碑があります。

山頂の碑があるスペースは、30人程度座れる空間(デッキと呼ぶのか)も作られています。

この日は、快晴と言うこともあり、そのスペースは登山者で満員!

 

こちらが山頂の碑。

登山者が、かわるがわる記念撮影を行っていました。

 

山頂の碑の裏に、大山の最高地点「剣が峰(標高1,729m)」がありますが、そこに至る縦走路は現在、崩落の危険から立ち入り禁止のようです。

 

山頂付近に建てられた避難小屋。

トイレと、身体が休めるスペース、そして売店があります。

 

避難小屋入口前には、ふもとの南光河原駐車場で拾った「一木一石運動」の石を置く場所もあります。

 

ブログ主も、忘れず一石を置いてきました。

 

最後に、山頂からの景色を撮影。

遠く、隠岐の島まで見えそうな絶景。

多少、雲が薄くかかっていますが、天候不順の日が多い山陰地方。この天気、文句なし。

 

余談ですが、登山日の翌週、航空自衛隊による美保基地航空祭が控えていました。

そのためか、曲芸飛行隊・ブルーインパルスが練習で描いたと思しき飛行機雲が何筋も青空に走っていました。

 

下山(下山届)

山頂で昼食をとり、登頂の喜びをひとしきり噛み締めた後、下山することに。

登山時と、また異なる視線で目に入る景観を楽しみながら下ります。

 

視線を落としがちな登山時より、下山時のほうが景観を楽しめる気がします。

 

それとも、「登頂できた」という満足感・達成感から、周囲の風景を楽しめる余裕が生まれているのかもしれません。

 

平野部に住んでいると、まず目にしない風景が次々と目に入ってきます。

 

こうした景色を撮影するのも、登山の楽しみの1つだと感じました。

 

石が多い道では、石を落とさないように、気をつけながら下りましょう。

 

下りるにつれ、緑がだんだんと濃くなる様も面白いものです。

 

登山口に近づくと、自動車の音が聞こえたりして、俗世に帰ってきた感じがします。

ホッとしたような、祭りが終わった時のような残念な気がするような。

こうして、無事に伯耆大山の登山が終了しました。

最後に、下山届を南光河原駐車場で提出し、近くの大山寺参道で足湯やスイーツを楽しんだ後、家路につきました。

 

登山に要した時間

今回の登山の所要時間を報告します。

(パーティ編成は5名で、中年男女~小学生低学年の女子という年齢層)

時刻 行動 移動時間 アクション
07:47 県営第2駐車場 駐車
12分
07:59 南光河原駐車場 登山届・一木一石運動協力
8分
08:07 夏山登山口 登山開始
19分
08:26 1合目
計測忘れ 2合目 1~3合目の間・41分
09:07 3合目
15分
09:22 4合目
21分
09:43 5合目
17分
10:00 6合目・避難小屋
38分
10:38 7合目
42分
11:20 8合目
15分
11:35 9合目
16分
11:51 山頂・避難小屋 昼食休憩
57分
12:48 山頂・避難小屋 下山開始
3時間24分
16:12 1合目まで下山 下山完了

ゆったりした昼食休憩を含めた、総登山時間は約9時間でした。

 

おわりに

鳥取県大山町の「伯耆大山」をご紹介いたしました。

 

憧れの山・春の「大山」に、登山初心者がアタックしてみた結果、無事に登頂できました。

成功の要因として考えられるのは、水分とカロリーをこまめに補給したこと。

飲み切れない・食べきれないぐらいの量を(抱えるのが無理にならない範囲で)持参しました。

 

反対に、後悔していることが、2つあります。

1つは、日焼け止めを塗っていなかったこと。

春とはいえ、直射日光を浴びた顔面や手などは真っ赤っ赤。

早速、その日のお風呂から肌の痛みにさらされることに。

 

2つめは、虫除け・虫刺されの対策をしてこなかったこと。

もちろん、長袖・長ズボンで登山しましたが、山の虫はワイルドでした。

娘がアブに何カ所も(服の下を)さされ、痛み・かゆみに耐えかねて山岳ドクターのお世話になることに。

夏になる前も、虫対策が必要ですね。

(山岳ドクターさん、その節は大変お世話になりました)

最後に、小さい子ども連れの我が家の歩みに登山ペースを併せていただいた友人に感謝を。

中国地方最高峰の山に登頂できましたが、また違う山を歩いていきたいと思っています。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました。

 

関連記事(山陰地方の登山)

【鳥取県伯耆町】鬼住山に登ってみた
鳥取県伯耆町のランドマークである、「おにっ子ランド」の大きな鬼の銅像。 (おにっ子ランドの紹介記事はコチラ↓) その大鬼の銅像の山から、河を隔てて対峙するかのように位置する標高326m「鬼住山」。 この山に、202...
【鳥取県琴浦町】船上山に登ってみた
鎌倉時代末期、後醍醐天皇が流刑先の隠岐から脱出し、立てこもった場所が「船上山」。 そんな歴史の1ページに残る要害の地は、今もその姿をとどめています。 その山に、2023年5月9日(火)に実際に登山しましたので、ご紹介します。 ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました