神社・仏閣に興味を持っている佐々井です。こんにちは。
今回、ご紹介する書籍は、「神社に行っても神様に守られない人、行かなくても守られる人。」です。
副題は、「1200年続く神社の神主が教える、神様との正しいご縁のつくりかた」。
著者は、滋賀県近江八幡市の賀茂神社の禰宜(ねぎ:神職の一つ)である、岡田能正さんです。
近年、神社が「パワースポット」と呼ばれ、参拝客も増えているものの、神社・・・ひいては「神様」・「神道」について、どれだけ知った人がいるでしょうか?
「御利益のお願い」を神様に言うだけ言って帰る、という方はいらっしゃいませんか?
神職にある岡田さんは、このような疑問を持ち、「日本にいる神様」と、「神様への接し方」を紹介されています。
「そもそも○○の神様は~、▲▲の神様は~」といった各論ではなく、「神社で神様と対するときは~」のような総論で述べられています。
そのため、カタく考えながら読む本でも、単語を一つ一つ覚えていくような本でもありません。
いわゆる「スピリチュアル系」な本でもないと思います。
本書をオススメしたい方はこちら。
神社にお参りする前、また、日本に根付いてきた「神様」がいる日常生活(例・トイレの神様)を送る際に、読みたい1冊です。
それでは、ご紹介していていきます。
「神社に行かなくても神様に守られる人」とは
いきなり、タイトルの答えを紹介します。
「神社に行かなくても、神様に守られる人」とは、下記のようなことができる方です。
「浄・不浄の線引きをする人」
「日常的に、心身を清い状態に整えること」
「あらゆることに感謝すること」
「素直で謙虚であること」
以上です。
え? 神社への参拝は?
お祈りの仕方とかは決まってないの?
著者の岡田さん曰く、上記の4つに集約されるそうです。
日本の神様=「神道」は、「戒律」もなければ、万物を「認める」「許す」「敬意を払う」という精神で支えられている、といいます。
縄文の昔から、日本人は神様を感じながら「自分を律して」きました。
日々の暮らしの中で、「神様」たちと接してきたのです。
この精神を重んじ、今に伝えるのが「神道」であり、「神様への接し方」で重要になる根幹部分になっているそうです。
では、そもそも「神社」って? 神社との正しい付き合い方
「神社」はどういう位置づけ?
前項では、「暮らしの中で神様と接することができる」という著者の考え方を紹介いたしまいた。
それでは、(物質的な)「神社」とはなんでしょう?
それに対する答えはこうです。
「『神社』は、私たち日本人が縄文時代から実践してきた暮らし・知恵・文化が伝わる場所です。」
古来より、神様(=大いなる自然)は、日々の生活の中で、私たちとともにありました。
神社における祭祀(まつりごと)は、かつての日本人の生活そのものです。(お供え=食事、お供えの準備(食糧生産・布製品の作製など)=今でいう労働)
神社は、そうした暮らしの中の「神様に手を合わせる場所」というだけのところです。
(といっても、「神聖視されている場所」ですので、軽んじるわけでもないですが)
では「神社」は「パワースポット」ではないの?
「パワースポット」という言葉が、「自然の力を感じる場所」という意味を持つならば、神社もパワースポットなのでしょう。
「パワースポットはプワースポット(貧しいスポット)だ」と言った人がいます。
恋愛運が~、金運が~、仕事運が~、人間関係運が~・・・
ご利益だけを目当てで、神社に来て拝み、日々の生活を律しないのであれば、「自分の利益のみを考える想念が集まるだけの場所」になってしまうでしょう。
神社が「パワースポット」なのであれば、その場所を大切にしてきた「祖先たちに感謝し、大自然の気を感じる場所」になるのではないでしょうか。
そうは言っても「神様にお祈り」がしたい
「神社」が「感謝する場所」とはいっても、「神様にお願い」もしたい。
そうした方は多いと思います。
著者曰く、「神社は『お願い』ではなく『誓い』をする場所」だそうです。
例えば、
「試験に合格しますように!」
ではなく、
「この試験に合格し、人々の役に立ちたいので、絶対に合格します!」
といった感じです。
「お願い!」と問題を神様に放り出すのではなく、「誓います!」と宣言して神様に応援してもらう。
そういうスタンスなのです。
「人のため」なことを祈るのもポイントですね。
また、「誓い」ですので、それが叶わぬこともあるでしょう。
神前の誓いは「絶対」のモノではなく、時に
「失敗しました、という挫折」、
「誓いを自ら破ってしまいました、という謝罪」
「誓いが達成できました、という感謝」
・・・そういった「結果報告」と「新たな誓い」を繰り返すことで神様とのご縁を深めていくものなのです。
このため、遠くの神社・神様より、近くて「自分に合った雰囲気の場所だな」と感じる神社・神様に、定期的に参拝するのがいいでしょう。
参拝の仕方は決まってるの?
決まってないそうです。
当たり前のようになっている「二礼二拍手一礼」の参拝方法は、明治時代から後付的に定められたものだそうです。
(出雲大社など、一部の神社では古来からの固有の参拝法を固守しているので、お気をつけください。)
また、御賽銭の額は「今の自分で精いっぱいの額でいい」そうです。
御賽銭については、金額よりも「御賽銭のお金がないから、お詣りはやめよう」と考えること。
「御賽銭がないから怒る神様」はいらっしゃらないそうですが、「挨拶もしない」のはどうかとと。
忙しいときは、神社前を通る時に一礼するだけでもいいそうです。
最後に、できるだけ参拝には、ひとりで行きましょう。
複数名でお詣りすると、自分の「誓いをたてる時間」をしっかりとれるか、わかりません。
友だちが、さっさと「誓い」を立てて神前から去ろうとすると、「早くしなきゃっ」となりますよね。
「神様と自分の魂の対話」に集中するためにも、できるだけ神社には一人で伺いましょう。
暮らしの中で神様とつながる方法
「神社での神様との接し方」を紹介してきました。
この項は、「日常生活での神様との接し方」を紹介します。
ざっと、箇条書きさせていただきます。
詳しい方法や、ベースとなるマインドなどは、是非、実際に本書を手に取ってご確認ください。
・朝一に、朝日を浴びよう。「今日も生きている喜びに感謝を」
・朝起きたら、顔を洗い、歯みがきを。夜の不浄を落とそう。
・自分の神棚(神様スペース)をつくろう。
お守りやお札を1カ所に集め、できれば祝詞をあげる
「祓い給い 清め給え 神ながら守り給い 幸え給え」
(はらいたまい きよめたまえ かみながらまもりたまい さいわたまえ)
・清潔な身なりで生活する。
・食事は「いただきます」と言おう。
食べ物としていただく動物も植物も命あるもの。感謝を。
・家に誰もいなくても「いってきます」「ただいま」をいう。
・自分なりの「お祓い」の方法や場所を持とう。
ネガティブな気持ちを浄化しよう。
例:自然のある場所に行く、深呼吸、手を洗う、鏡に向かって笑顔をつくる
・穢れをため込まない。掃除、整理整頓。特にトイレ掃除。
神道的な浄化方法としては、小さく手を叩く、輪ゴムをはじく(弓をはじくイメージ)
・心を整える。「マインドフルネス」や仏教でいう「禅」は有効。
・物を大切にする。物にも神様が宿っている。
・家の中にスッと入らない。玄関先で身体を「さっさっ」と払う。
家は自分の聖域。外界の穢れを持ち込まない。
・ネガティブな感情は「ありがとう」を口に出すことで浄化しよう。
陰陽はふたつでひとつ。陰の次は陽が、月夜の次は朝日がきます。
おわりに
「神社に行っても神様に守られない人、行かなくても守られる人。」を紹介させていただきました。
いかがだったでしょうか。
今までのブログ主は、神社で神様に「お願い」ばかりしていました。
「お祈り」の仕方、「日々の生活の意識」を変えていこうと思いました。
「トイレの神様」は有名ですが、「『万物』に宿る神様」に感謝を持って生きていきましょう。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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