(書籍紹介)一日一戒 良寛さん 清々しい人になる90の教え【枡野俊明】

書籍紹介

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タイトル 一日一戒 良寛さん 清々しい人になる90の教え
著者 枡野俊明(曹洞宗・徳雄山建功寺住職)
出版社 自由国民社
初版発行年月日 2019年7月8日

 

本書は、仏教(曹洞宗)の名僧・良寛さんの残した戒語(戒めの言葉)を90個ほど紹介してくれます。

その収録されている戒語は、すべて「言葉」や「話し方」に関するものです。

品性・品格ある「言葉使い」「ものの話し方」は、「人としての優しさ、清々しさ」に通じます。

そうしたことをわかりやすい表現で、堅苦しくなく学べる1冊です。

「難解だな……」と感じる仏教用語などは用いられていませんので、「仏教ってナニ?」という方にもオススメします!

本記事では、本書の内容をおおまかに紹介させていただきます。

 

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本書のテイスト

良寛さんが残した「自戒の言葉」を90個紹介してくれる本書。

その自戒1つにつき、見開き1ページを用いて解説してくれています。

 

内容としては、下記の3点になります。

・「良寛さんの言葉(一行程度の短文)」

・著者の意訳

・著者の解説

見開き1ページを読み切る=戒語1つについて読み切る、という体裁です。

非常にテンポよく読めますし、書籍のタイトルのとおり、一日一語ずつ読み進めるも良し、です。

 

90個の戒語の主旨

それでは、良寛さんの言葉の概略を「著者の意訳」をベースに、一語一行という形で紹介させていただきます。

自分が、自分が、を抑える自戒16話

・自分が、しゃべりすぎてはいけない

・喧嘩になりやすい話題(政治・信条・性etc)の話はやめよう

・早口でしゃべらないようにしよう

・ダラダラと続く話は、相手をうんざりさせるだけだよ

・聞かれてもいないことを自分から話すのは無粋です

・要点をまとめて話そう

・傍から出しゃばって口を出すのは余計なお節介というもの

・会話の中で、脈絡・流れのない話をするのは、理解されませんよ

・自分の手柄を吹聴するのは鼻につきますよ

・自慢話は聞き苦しいし、みっともないよ

・争いごとの(誰かを敵にする)話は控えましょう

・他人の喧嘩の話には口を出さないようにしましょう

・自分が納得していない話はしないようにしましょう

・とりとめのない話、キリのない話は困ってしまいます

・政治批判も品格が大事です

・勝手な屁理屈・憎まれ口・負け惜しみは封じましょう

 

相手の話を聞いていますか?の自戒14話

・人がまだ話しているのを、さえぎって話し始めるのは失礼です

・子どもの機嫌を取って、子どもに好かれても仕方がありませんよ

・言うことがコロコロ変わっては信頼されません

・安請け合いは「大ケガ」に繋がります

・知ったかぶりをしてはいけません

・話を盛る(大げさに話す)のはやめましょう

・攻撃的な言い方は慎みましょう

・名言・格言の引用もほどほどに

・理屈や言い訳が多いのは見苦しいですよ

・話してもいい人・いけない人を見極めましょう

・一つの話題が決着しないうちに、別のことを言ってはいけません

・人に気に入られるように話す(媚びへつらう)ことはありません

・人が話しているときに遮るのは嫌がられます

・相手を軽んじた話し方は品位に欠けます

 

これは「ルール違反」という自戒20話

・しんみりとした場面で場違いな発言は不謹慎です

・人が秘密にしていることを暴露するのはいけません

・自分が「挨拶されて当然」と思うのは、大人げがありません

・あまり相手の顔を凝視しながら話すのは、好感が持たれません

・自分が酒に酔っているときに理屈を言っても説得力がありません

・酒に酔っている相手に理屈を言っても通用しません

・怒っているときの理屈は危険です。まず冷静さを取り戻しましょう

・よく話を聞かずに判断すると失敗します

・親切を装った言葉は心に響きません

・自分の生まれ育ちの良さを誇らしげに話すのは慎みに欠けます

・人の言うことをよく聞かないで受け答えする(生返事etc)のはいけません

・推測の域を出ないことを事実のように話すのは間違いです

・間違っていることに気づきながら、主張を通そうとするのはいけません

・相手の言葉尻をとらえて、あげつらうのはやめましょう

・知ったかぶりの話し方は、ひんしゅくものです

・どうでもいいことをクドクドいうのは「時間泥棒」です

・自分が見聞きしたことを全部話す必要はありません。要約しましょう

・人の「話が旨い・下手」を評論するのは愚かなことです

・行政に関わる人を「いい」「悪い」と言っても始まりません

・知識・知恵の「押し売り」はうっとうしいものです

 

誰しもあるクセに気づこう、の自戒20話

・生意気でしゃくにさわる話し方をするのは、いかがなものでしょうか

・同じことをクドクドするのは、困ったクセです

・延々と世間話ばかりするのは時間の無駄です

・オーバージェスチャーは、話が大げさに聞こえがちです

・首をひねりながら理屈を言うのは深いです

・人の話しグセの真似は、その人を傷つけることがあります

・引用・例え話も的外れだと恥ずかしいものです

・口をとがらせて言うと「得意げ・不満げ」に見えます

・強固に自分の主張を譲らない人は敬遠されます

・めったにない話でも、何度も何度も繰り返すのは考えものです

・一気にまくしたてても心には届きません

・その場にそぐわない話を持ち出すのは差し控えましょう

・場所を選ばない「他人の喋り方の真似」は感心しません

・無暗にカタカナの用語を使うのは滑稽でしかありません

・地方出身者が方言を軽んずるのはいかがなものでしょうか

・優美で美しい言葉を得意になって話すより、行動を伴いましょう

・ろくに知りもしないことを大威張りで話すのは恥ずかしいことです

・せっかく寝ている人を無理に起こして話すのは大迷惑です

・人から聞いただけのことを、さも事実であるかのように話してはいけません

・相手にあわせて、その場で都合の良い話をするのは誤りです

 

いい「伝え方」についての自戒20話

・とめどない話を聞いている方が疲れます

・大事なことを、あえて事もなげにいうのは感じが悪いものです

・大切な人に、軽々と「できます」と即答してはいけません

・対話は「講義」ではありません。「あそび」も必要です

・悟っていないのに、さも悟ったかのような話しぶりは鼻につきます

・茶人でもないのに、茶の湯に精通しているような話し方はいただけません

・風流・粋を気取っても、すぐに地がでますよ

・たいして重要でない事柄を熱っぽく語っても意味がありません

・人の批判をしていると、いつか我が身に戻ってきます

・人にあげたものについて、いつまでも話すのは「執着」というものです

・自分がしたことを「あれも」「これも」と主張するのはやめましょう

・人に冷ややかに対応するのは、とても嫌味なものです

・誠意が感じられない、上の空の受け答えは相手に失礼です

・凡庸な話をドラマ仕立てにして話していると、今に困ったことになります

・あくびをしながら念仏を唱えるなど、もってのほかです

・人に「何かを上げる前に期待させる」のは、その人の心を弄ぶことです

・人が話す道理に耳を貸さず、自分の道理だけを通そうとしても、うまくいきません

・人の話し方を真似して、同じように語り、同じところで嘆き悲しんだりするのは、わざとらしいものです

・良いことに感謝するのは当たり前。逆境に感謝できてこそ本物です。

・自分がしたことは、あまり吹聴しない方が美しいものです

 

おわりに

枡野俊明・著「一日一戒 良寛さん」を簡単ですが、ご紹介いたしました。

戒語の大意を90個、並べてみましたが、その1つ1つをみると「当たり前のことだな」というものが多くあるように感じます。

しかし、実生活において、その「当たり前」を「当たり前」として実行できているか?と言えば、どうでしょうか。

江戸時代後期を生きた良寛さんが、今に伝え、今も生きる諫言を、日々、見直していくことで、「人」としての品性を保っていきたいものです。

(この、まとめ文も、良寛さんが苦言を呈する「知ったかぶり」になるや如何に?(笑))

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

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