2022年5月7日、久米桜麦酒(株)の大山Gビール工場に見学に行きました!
原材料の産地見学、Gビール工場見学、ビールの飲み放題と、大人の社会見学は楽しいですね!
その際に見聞きしたことを紹介いたします。
「大山Gビール」とは、鳥取県の地ビールで、2011年に「ワールド・ビア・アワード」のヴァイツェン部門(ビールの種類の1つ)で世界一を受賞したビールです。
鳥取県のふるさと納税でのお礼品になっているなど、鳥取県の「お酒」の顔的存在です。
「くめざくら大山ブルワリー・大山Gビール工場見学」とは
見学の主催 | 久米桜麦酒(株) |
開催場所の住所 | 鳥取県西伯郡伯耆町丸山1740-30 |
公式サイト | http://g-beer.jp/ |
ジャンル | ビール工場見学 |
見学コース | 1.オリエンテーリング
2.ビール原料の産地見学 3.「大山Gビール」工場見学 4.テイスティング(+オプションで飲み放題) 5.直売所ショッピング |
見学場所へのアクセス | JR「米子」駅まで、主催企業の送迎車あり |
その他 | 予約制・ガイド付き |
原材料の産地見学
朝9:30、送迎車が米子駅前に迎えに来てくれました。
30分程度、車に揺られて「久米桜麦酒(株)のビアホフガンバリウス」に到着。
ビアホフガンバリウスとは、久米桜麦酒が経営するレストラン&ショップです。
ガンバリウスの隣には、ビール工場が隣接しています。
簡単な日程説明の後、早速、ビールの原材料の産地見学へGO!
原材料見学は、ガンバリウスの周辺にある田畑を周る40分程度のコースです。
ガイドのヨッシーこと吉田さんの運転・案内で、出発!
大山の伏流水(地蔵滝の泉)
まずは、ビールの90%を占める成分「水」を供給している泉に向かいます。
その名も「地蔵滝の泉」。平成の名水百選にも選ばれた泉です。
見学当日は、工事中だったようで、柵や重機の姿もちらほら。
しかし、透明度の高いきれいな水をたたえた泉で、地元民の方々が水を汲みに来ておられました。
「地蔵滝」とあるとおり、かつては滝があったのですが、過去の大型台風「伊勢湾台風」で地形が崩れ、今は滝の姿はありません。
水源からの豊富な水量は健在。
水温は11度前後で、夏は涼やか、冬も飲みやすい天然水だそう。
水が汲みやすいようになっている場所もあります。
水を汲もうとカップを出すと、すごい勢いの水流にカップを持っていかれそうになる、の図。
地元では「大山の山頂に降り積もった雪が、地下に浸透し300年磨かれた伏流水」という話もあるそうです。
写真にある一杯を実際にいただきましたが、涼やかな雑味のないミネラルウォーターでした。
酒米の水田
次に案内されたのは、酒米の田んぼ。
広めの棚田といったところで、1~3段目は日本酒「大山桜」のための「きぬむすめ」、4段目はビールや日本酒の「八郷」のための「山田錦」、5段目はガンバリウスでお客様に提供する食用のうるち米、を育てているそうです。
「大山Gビール」を扱う「久米桜麦酒」の母体になったのは、日本酒の酒蔵「久米桜酒造」。
この田んぼは、久米桜酒造の日本酒と、久米桜麦酒のビールのための田んぼなんです。
(ビールの材料に米を用いるのは珍しいですね)
見学当日は、田植え前で、水も引く前でした。
田んぼに引く水は、飲料にも用いている「大山の伏流水」。
さきほどご紹介した「地蔵滝の泉」の水が、下流の田んぼに供給されている、という図式です。
田んぼの真ん中からは、大山の山頂が見通せます。
川のせせらぎ、小鳥の梢、そして大山の雄大な姿……、ガイドの吉田さんイチオシの心が安らぐいい場所でした。
案内された田んぼ以外にも、契約農家さんが収穫するコメも使うとのこと。
大麦・小麦の畑
米の次は、大麦と小麦の畑。
ビールといえば麦ですね!
大山山麓の土は、黒色の土で保水良好!、水はけ良好!、と農業に最適の土だそうです。
まずは大麦の畑。風にそよぐ大麦の波が美しい。
収穫を待っているのは、二条大麦の「ダイセンゴールド」という品種。
久米桜麦酒の「大山ゴールド」というビールの製造に用いられます。
小麦は、車窓から眺める形で見学。
こちらは「セトキララ」という品種で、「大山ブロンド」というビールに用いられます。
ビールに欠かせないホップの畑
田畑の見学の最後は、ビールの苦みのもと「ホップ」の畑。
元は梅園(ばいえん)だったところに、ビールの材料を育てる、ということでドイツ語の愛情を意味する「ヴァイエン」と名付けられた、この畑。
久米桜麦酒のスタッフが直接、有機栽培で大切に育てられているとのこと。
ビールの仕込みに使える量が収穫できるまで、3年かかったそうです。
大山Gビール工場見学
さて、ガンバリウスの建物に戻ってきて、Gビール工場見学に移ります。
ガイドが、吉田さんから、工場長のHIDEさんこと岩田さんにチェンジ。
坊主にヒゲをたくわえる、という風貌からビールマイスターの岩田さん。
ビールについて熱く解説してくれますよ。
でも、早口でして、説明のメモが追い付かなかった……
ビールの製造タンクがずらり。足元のホースに御注意。
工場長曰く、ビールはカレーと同じだそう(!?)
一度に大量に作ると、原材料からの成分抽出も効率的だし、ウマイ酒ができるんだとか。
ホップを投入するタンク。
前述のとおり、初めてホップを収穫するまで3年間かかったが、ビールづくりに使ったのは30分間だったとか。
その時のホップは、ビールづくりに使った後に、記念に天ぷらにして食べたそう(すごく苦かったそうです)
ビールの瓶詰め機。
この機械の導入で、約2,000本の製造に1週間かかっていたのが1時間でできるようになったとか!
自動化恐るべし……
Gビールのテイスティングと飲み放題
ビール見学が終わると、おまちかねのテイスティング~飲み放題!
テイスティング用の少量グラスが、ずらり6種類並ぶ様は壮観!!
左から「ピルスナー」「ヴァイツェン」「ペールエール」「スタウト(黒ビール)」「強吟(米を使ったビール)」「バーレーワイン(ブドウは使っていないワイン風ビール)」
テイスティングとビールのプチ情報
工場長曰く、テイスティングは「ビールの色が薄い方から順に飲むといいよ」とのこと。
ちなみに、ビールの色は、ビールに用いた麦の殻の色、だそう。
ビール職人は、酵母や材料が出す味や風味を覚えていて、頭の中でビールの味を計算して仕事するそうです。
いやはや、本当に「マイスター(匠)」な世界ですね。
また、工場長曰く、「ビールは大まかに2種類」だそうです。
1つは「ラガー」、もう1つは「エール」で、違いを表にするとこんな感じです。
比較する事項 | ラガー | エール |
発酵の方法 | 下面発酵(タンクの沈んだ方) | 上面発酵(タンクの上澄みの方) |
発酵の方法 | 低温 | 高温 |
味わい | すっきり | フルーティ |
工程 | 工程が短いので、早く製造できる。 | 工程がかかる。 |
その他 | 製造しやすいため、クラフトビール(地ビール)の多くはこちら |
「ピルスナー」のレビュー
アルコール度数5.0%。
Gビールのピルスナーは、ラガータイプのビールで、大手ビール会社より色が濁っているそうです。
それは、製造の過程で酵母を取り除かず、残しているから。
このため、穀物の香りが豊かに味わえるビールです。
また、ラガービールの特徴である「すっきりとキレがある」のも楽しめます。
今回のテイスティングに出てきた6種類のうち、唯一のラガータイプ。
後日、大手ビールメーカーのラガービールと飲み比べてみました。
「ヴァイツェン」のレビュー
アルコール度数5.0%。
バナナやバニラのようなフルーティな味わいがするビール。
甘く、それでいてキレも感じる味がしました。
苦味はピルスナーと比べて少なめ。のどごしは、ちゃんとビールしてます。
工場長曰く「日本酒好みの人にもオススメ」だそうです。
「ペールエール」のレビュー
アルコール度数4.5%。
口当たりが甘く、レモンなどの柑橘系の香りがするビール。
ブログ主は、オレンジのような爽やかさを口いっぱいに感じました。
こちらも、ピルスナーより苦みは少なめ。
なお、ペールエールの香りは、エールタイプの王道的な香り、とのこと。
「スタウト」のレビュー
アルコール度数5.5%。
いわゆる「黒ビール」と呼ばれているビール。ビターなビールです。
麦芽をローストした香りがコーヒーを思わせます。
ビール会社大手はラガータイプで黒ビールをつくるが、Gビールのスタウトはエールタイプで作る、とのこと。
エールタイプで作ることで、よりコクを出すことに繋がっているとか。
「強吟」のレビュー
アルコール度数7.0%。
鳥取県産業技術研究所と共同開発の、清酒酵母を用いて作ったビール。
日本酒や酒かすの香りがします。
味も、日本酒の冷酒を思わせるスッキリさとキレキレのキレ味。まるで吟醸酒。
口当たりは軽く、飲み続けると、水のようにススッと身体に染み込むような飲みやすさを感じます。
日本酒好きにはたまりません~!……飲みやすい分だけ、飲みすぎ注意!
「バーレーワイン」のレビュー
アルコール度数9.0%。
名前に「ワイン」とあるが、ブドウではなく、大麦を使ったビール。
このビールの変わった楽しみ方として、ビール瓶を立てて保存すると、上澄みの方と沈殿した方では味わいが違ってくるそう!
上と下を飲み分けるファンもいれば、混ぜて均一化した味を楽しむファンもいるそうです。
「ワイン」を思い浮かべながら飲むと、「赤」というより「白」な感じがしました。
キレもよく、油ものにも負けなさそう。
今回のテイスティングの中では、アルコール度が一番強いが、「強吟」同様に飲みやすいため、飲みすぎ注意です!
「飲み放題」を楽しむはずが……(笑)
テイスティングが終わり、食事付き飲み放題へ移行。
テイスティングの6種類のビールをすべて飲んだところで、すでにほろ酔い……。
「ペールエール」のハーフサイズを注文。
かたわらにはチェイサーの「大山の伏流水」も。
見学当日の飲み放題メニューには、「強吟」と「バーレーワイン」が入ってなかったのは残念でした……
次第にアルコールが回ってきて、食事メニューの撮影とメモを忘れる……
お酒のお店のレビューは大変なんですね(笑)
かろうじて、しらすとわさびのピザの写真をパシャリ
あまりアルコールを飲まない同行者のテイスティング用ビールもいただいてご満悦。
6種類の味を入れ代わり立ち代わり味わえるのは最高!
でも、車で30分かけて帰ることを考えて、飲むペースをセーブしました。
楽しかった見学&飲酒も15時頃には終了。
ガンバリウス内のお店で買い物と、買い物と別にお土産をいただき帰路へ。
めったに味わえない昼酒の余韻に浸りつつ、米子駅まで送り届けていただきました。
嬉しいお土産を開封!
工場見学から帰って、お土産をさっそく開封!
見学者1人につき1箱、中身は、大山Gビール330mL瓶(3種類)と大山Gビールのロゴ入りグラス!
ビールの種類は「ピルスナー」「ヴァイツェン」「ペールエール」です。
グラスは小振りでカワイイ一品。
ビール以外にお茶や水といった普段使いもできます。
おわりに
ビール工場見学も、ビールの6種類テイスティングも初めてで楽しかったです!
「大人の社会見学」というのが、こんなに楽しいとは思っていませんでした。
今回、工場を案内いただいた吉田さん、岩田さん、ありがとうございました。
余談ですが、ビール工場見学でメモを取っていたブログ主を見て、工場長の岩田さんが一言。
「ビール工場のガイドを何回もしているが、メモを取りながら話を聞く人は初めてかも」
社会見学の際は、ガイドさんの説明をしっかり聞こうと思いました。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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