1年間、月に1回以上は座禅を組んでいる佐々井です。
今回は私が実際にお坊さんから教わった座禅の方法をご紹介します。
「座禅」は組むことによって、日夜いろいろ考えて疲れている「脳をリセット」できる、そんな気がしております。
座禅にまつわる仏教用語も紹介しますので、ご興味がある方、ご一読ください。
座禅を組む目的
座禅を組む目的は、人それぞれだと思います。
・心を落ち着かせたい。心の平穏を求めたい。
・なんとなく座禅・禅の思想に興味がある。
・和の文化に触れたい。
・悟りを開きたい。
仏教的(究極的)には、「悟りを開く」でしょうけど、そんなに構える必要はないです。
興味があれば、座ってみればいいんです。
座って、興味が増せば、座り続ければいいんです。
いつ、どこ、だれでも座禅をすればいいんです。
私が師事している御住職も、そう仰っていました。
私の目的は、日ごろ心の中に湧いてくる「いらいら」「もやもや」「そわそわ」を「一時的にでも」振り払いたいから。
「いらいら」・・・自分を無視してくる人がいる。家の周りが騒がしい。
「もやもや」・・・あの時の発言で人に嫌われたらどうしよう。と言うか、もう嫌われてる?
「そわそわ」・・・今、自分は何をしたらいいんだろう。明日の仕事、うまくできるかな。
そんな不安・悲しみ・怒りから一度距離を置き、心をゼロ地点に戻すのが座禅です。
座禅で意識すること
座禅中に意識することは、大きく言うと3点です。
・調身(ちょうしん)・・・簡単に言うと、姿勢を整える。
・調息(ちょうそく)・・・ゆっくりと意識して息をする。
・調心(ちょうしん)・・・心の中で「思ったこと」を考えない。
「調心」が一番難しいと思いますが、次の項目「やり方」で説明します。
座禅で用意するもの
・タイマー
・座布団、もしくは坐蒲(「ざふ」と読みます。座禅用のクッションのことです)
座禅のやり方
1.壁に向かって座るので、壁に向かって立ちます。壁と自分との間に、座禅で座る座布団を敷きます。
2.壁に向かって一礼します。(隣位問訊(りんいもんじん)と言います)
これは、禅寺で座禅を組む際に、同じ時間、隣で座禅を組む人に対する「よろしくお願いします」を意味しています。
3.回れ右して、壁を背にして一礼します。(対坐問訊(たいざもんじん)と言います)
これは、2.隣位問訊と同じようなもので、自分の対面で座禅を組む(座禅時に背を向き合わせる)人に対する一礼です。
4.座布団を2つに折って座って、足(あぐら)を組みます。
座布団は、お尻の下。両ひざは床について、両ひざと座布団の3点で身体を支えます。
坐蒲の場合は、そのまま座ってOKです。
5.あぐらから、両足のつま先~足首を両ももに載せます。
(この体制を結跏趺坐(けっかふざ)と言います)
両足の足の裏が上を向いているのが見える状態になります。
両足首を両ももに載せるのが難しければ、片足の足首だけ、ももに載せましょう(半跏趺坐(はんかふざ))
この際、ももに載せない方の足首は、あぐらの状態でいいですが、身体本体に引き寄せましょう。
6.手を組みます。よく座禅でイメージされる手の組み方です。
右手の手のひらの上に、左手の手のひらを載せます。
両手の親指の先を繋げます。
手のひらと繋げた指が卵型を描くようにします。(法界定印(ほっかいじょういん))
(法界定印のイメージ写真)
7.上半身の姿勢を正します。
へその下を前に突き出すようにし、頭頂部が天に引っ張られるイメージで背筋を伸ばします。
8.視線を前方・約1m先の床を見つめます。目は閉じません。
9.深呼吸をしましょう。
10.上半身を右と左に揺らします。
はじめは大振りに、徐々に小振りに。(左右揺振(さゆうようしん))
そうすることで、身体の中心点を探り、「まっすぐ」と感じたところで止まります。
11.座禅を開始します。(タイマーを任意の時間でスタートさせます)
呼吸は、できれば腹式呼吸。息を吸うこと、履くことに意識を集中します。
12.座禅中の心の持ちよう
息をすることに集中していても、いろいろな考えが頭をよぎります。
よぎった考えは、そのまま流して、深追いしない。
息をすることに意識を戻します。
禅の考え方である「今、この時に集中する」を意識し、息をすることに意識を何度も戻しましょう。
13.タイマーがなって、時間が来たら座ったまま、合唱して一礼。
組んだ手を解き、上半身を左右に振って身体をほぐし、足を解きます。
14.立って、壁に向かって一礼、壁を背にして一礼。
15.座禅は終了です。
最後に
現在、私は今回の記事のやり方でお寺や自宅で座禅をします。
まだまだ修行が足らず、座禅中も心がザワつくことはしょっちゅうです。
これからも、座り続けたいと思います。
この記事は、仏教の一宗派:曹洞宗が発行されているパンフレットを参考にさせていただきました。
曹洞宗のホームページに「坐禅の作法」というコーナーがあり、イラスト付きで説明されているので、こちらもご覧ください。
お金もかからず、時間さえ取れれば、いつでも座禅は組めます。
座禅に興味がある方、一緒に組んでみませんか?
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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