(書籍紹介)ただいるだけで【相田みつを】

書籍紹介

今回、ご紹介する書籍はこちら!

タイトル ただいるでだけで
著者 相田みつを(書家・詩人)
出版社 PHP研究所
初版発行年月日 2017年1月11日

本書には、著者の詩が、52編ほど収載されています。

「詩」以外のページは、著者の息子さんの「まえがきにかえて」しかなく、解説文や詩ができた背景の説明のようなものはありません。

それだけに、読者たる自分だけで、詩の1編1編と向き合うことになります。

そして、それぞれの詩にぶつけられた著者の圧(″メッセージ性″というのでしょうか)を、ひしひしと感じることができます。

本記事では、本書に収載された詩の数編をご紹介いたします。

 

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「ただいるだけで」

「ただいるだけで

 

あなたがそこに

ただいるだけで

その場の空気が

あかるくなる

 

あなたがそこに

ただいるだけで

みんなのこころが

やすらぐ

 

そんな

あなたにわたしも

なりたい

 

みつを」

 

「癒し系な人へのあこがれ」とも感じる1編。

確かに、周囲にそういう人がいたら尊敬しますね。

おだやかな太陽みたいに、愛し愛される人。

ブログ主は、こういうタイプの人間になれそうにありませんが、妻が私にとって、そういう人かな……

こういう人になれなくても、そばにいてくれたら、それはそれで幸せですよね。

そして、そういう時は「ありがとう」を言うのを欠かしたくないですね。

 

「みんなほんもの」

「みんなほんもの

 

トマトがねぇ

トマトのままでいれば

ほんものなんだよ

 

トマトをメロンに

みせようとするから

にせものに

なるんだよ

 

みんなそれぞれに

ほんものなのに

骨を折って

にせものに

なりたがる

 

みつを」

 

著者は1991年に亡くなっていますが、このブログ記事を書いている2022年でも、グサリとくる1編です。

昨今、起業家や投資家がもてはやされています。

それ自体は悪いことではありませんが、猫も杓子も起業家や投資家を目指すのが是という風潮を感じたりします。

しかし、人間には向き、不向きがあるもの。

自分を偽ってまで、自分を変えようとしなくてもいい気もしますね。

自分は自分。

なりたい自分が自分。

自分がトマトなら、メロンがいくら高価でもトマトでいいんじゃないですかね。

まぁ、人間は、自分が「何の品種か」がパッとわからないぶん、難しいですが。

今、目指している自分の目標が「ほんもの」か、「にせもの」か。

「自分に問い続ける」ことしかできないのでしょうか……

(こう書いてますが、ブログ主は株式などの投資もしています。

起業や投資が悪いことと言っているわけではありません)

 

「ひとりになりたい」

ひとりに

なりたい

ひとりは

さみしい

 

みつお」

 

そっとしてほしい。

たまには、ひとりになりたい。

自分の世界に、ひたりたい。

でも、かまってもほしい。

ずっと、ひとりはイヤだ。

こっちも見てほしい。

そんな、人間の二律背反が見事に描かれています。

いわゆる「陰キャ」なブログ主も、よーっくわかる気がする1編です。

まぁ、ひとりだとしても、ひとりじゃなかったとしても、人間は生きていくんです。

そう。生きていくんです。

 

おわりに

相田みつを・著「ただいるだけで」をご紹介してきました。

3編ほど、当ブログで紹介させていただきましたが、他の49編の詩ひとつひとつ、込められた思いをズッシリと感じるものになっています。

文章は、長くても見開き1ページで1つの詩ですので、1ページ1ページ、ゆっくり読みすすめるのがオススメです。

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました!

 

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