災害大国日本。
地震、津波、火事、台風、豪雨、土砂災害、火山噴火……
特に近年、警鐘が鳴らされているのが「南海トラフ地震」。
これに対する備え・身を護る方法が「防災」です。
その防災を日常的に取り組む術・ポイントを教えてくれるのがこちら。
タイトル | 今からできる!日常防災 |
編者 | 永田宏和/公益財団法人ボーイスカウト日本連盟 |
出版社 | 池田書店 |
初版発行年月日 | 2019年4月25日 |
本記事では、本書の内容をおおまかに紹介させていただきます。
本書の内容
本書は6章で構成され、各章のテーマとその内容は下記のとおりです。
災害時を想像する
災害時や被災後の生活で、どのようなことが起こるでしょうか。
また、なにが必要になるでしょうか。
イメージを持つこと・体験談を聞くことが重要になってきます。
・地震発生時は立っていられない
・建物の外に出られなくなる
・被災後、1~2週間停電する
・水道やガスが1か月使えない
・町中が、ほこり・サイレン等の音に包まれる
・携帯電話がつながらず、公衆電話しか使えなくなる
・公衆トイレ・ATM・ガソリンスタンドに長蛇の列ができる
・避難所にも物資が無く、アレルギー対応食なども届かない
・被災後、感染症などの病気が蔓延しやすくなります
備える
災害時に何が起こるかイメージできたら、その備えをしていきましょう。
食料や生活消耗品は、具体的な備蓄量も考えることも重要です。
・家具が転倒してもケガをしにくいよう、家具の配置を見直す
・家具を固定する
・ガラスが割れて飛び散るのを防止する
・地震時にブレーカーが自動で落ちる(感震ブレーカー)ようにする
・家の耐震強度を知り、可能なら耐震工事をする
・家全体の耐震工事が難しいならば、1部屋だけでも強化する
・ドアを耐震化する(避難口の確保)
・自宅以外で被災した場合に備える(携帯アイテムや勤務先に置くアイテムを見直す)
・避難所も物資不足になるため、食料・水・照明・熱源・トイレなどを備える
・自宅の耐震性に不安なら、持ち出し袋を用意する
・高齢者・乳幼児・ペットなどに必要なものも用意する
災害時に何が起こるか・何ができるか知る
災害時は、情報が入ってきません。
そして、誤った判断をすれば命が危険にさらされます。
いざと言う時に、正確な判断・行動をするには、被災前に正しい情報・知識にふれておきましょう。
・自分が住んでいる地域のリスクを知る
・自分が住んでいる地域を実際に確認して歩く
・公衆電話の使い方を知っておく
・地域の人たちと知り合いになっておく
・災害時の情報源を知っておく
・災害時に便利なアプリをインストールしておく
・家族で連絡方法(電話やネット以外の方法も)を決める
・避難時の行動を知っておく(津波の恐れがある時は、それぞれが個別に高台に逃げるなど)
・火災の初期消火方法・消火器の使用方法・火災からの逃げ方を知っておく
・被災後に増える犯罪の対策を知る
・避難所で起こるネガティブな事(生活騒音・喧嘩など)を知っておく
・避難所のストレスを減らすポイントを知る
・病気を防ぐ習慣・テクニックを知っておく
・復旧後のガスメーターに復帰作業を知っておく
・被災後のお金や保険に関することを知っておく
・行政の支援策の限界を知っておく
各災害の知識を深める
地震、津波、台風、局地的大雨、河川の氾濫、火山の噴火……
それぞれの災害のメカニズムと特性を知っておくのも重要なことです。
・災害が起こりやすい地域・地形を把握する
・警報、震度や降水量といった情報が、どういった内容を示しているかを知っておく
・警報後にとるべき行動を知っておく
災害時に役に立つ技術を身につける
もしもの時に役立つのが、応急手当や救助の技術。
そうした技術を身につけておくと、自分や家族、その他の人を救うことができます。
・用意しておきたい救急セットの中身
・止血の方法
・やけどの手当の方法
・骨折・捻挫の固定の方法
・救助→一時救命処置の手順
・安静の方法
・溺れている人の救助方法
・役に立つロープの結び方
・ケガ人を運ぶ方法(1人で背負う・2人で担ぐ)
・即席担架の作り方
日常生活の中で訓練をやってみる
ライフラインが止まった際に役に立つのがアウトドアの知識。
その知識を楽しんで習得・訓練できるのがキャンプなどのアウトドア・レジャー。
遊びながら、防災スキルを高めていきましょう。
・キャンプに必要な物品
・テントを張る場所の選び方
・野外での快適な住環境の作り方
・基本的な火のおこし方・マッチがない時の火のおこし方
・キャンプでの水の基本的な使い方
・飲料水を確保する方法
・海水を真水に変える方法
・アルミ缶で簡易コンロを作る方法
・ポリ袋やアルミ缶でごはんを炊く方法
・エコなかんたん調理法
・野外トイレの作り方
・救助の呼び方
本書のテイスト
ご紹介した6章のうち、2章と3章は「おさらい やることリスト」が章の最後に掲載されており、重点ポイントを繰り返し学ぶことができます。
また、本書の文字・イラストは、黒とオレンジの2系統の色で描かれています。
ほぼ、全ページにイラストやグラフが用いられ、視覚的に分かりやすいよう工夫がされています。
災害時に必要な物品は、具体的な数量が示されているなど、実践的な本になっています。
日常防災3ヵ条
本書の冒頭で、まず解説されるのが「日常防災3ヵ条」。
「いつか来る日」は「今日」かもしれない。
災害への備えは「今」始めましょう。
いつでも安全な環境をつくる
災害、とくに地震が起きた時、いざという時は身体が動かないもの。
そんな時にモノを言うのは、日ごろの備え。
防災視点で自宅などの空間を調え、安全を確保しましょう。
自分の生活にあわせて考える
人によって、避難生活に必要なものは変わってきます。
自分の普段の暮らしの延長線上に、避難生活を想定・備えていきましょう。
楽しみながら防災を取り入れる
「災害のために備えねば!」とリキまなくても大丈夫。
家族でアウトドアのレジャーを楽しんだり、近所を散策したり。
そんなことから、「防災」を始めることができます。
おわりに
永田宏和/ボーイスカウト日本連盟・監修「今からできる!日常防災」を簡単ですが、ご紹介いたしました。
本ブログ記事では、収載内容の羅列となりましたが、これだけでも防災を考えるうえでの要点のリストに使えるかと思います。
この本を読んで、備えた物資や知識が役に立つことが無いのが1番ですが、そうも言っていられません。
自分の生涯を災害で終わらせないために。
大切な家族を災害の犠牲者にしないために。
「今」からできることを「今」しましょう。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
コメント