【島根県安来市】月山富田城跡を登ってみた【山城攻略】

山陰遊覧

「島根県のお城」といえば、現存天守で有名な「松江城」を思い浮かべる人も多いかと思います。

しかし、少し山間部に入った「月山富田城」も有名!

戦国時代、尼子・大内・毛利と大名の合戦城になった山城です。

2024年11月3日(日)に実際に登山(登城?)しましたので記事にしていきます。

 

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月山富田城跡とは

戦国時代を代表する山城です。

標高190mの月山(がっさん)の急峻な地形を生かしたお城がありました。

2回の合戦の舞台となり、江戸時代には廃城となったとされています。

月山富田城跡には、日本のお城でイメージされる天守閣はありません。

本丸、二の丸、三の丸に石垣が残り、本丸には勝田高守神社が鎮座しています。

城の名前 月山富田城(がっさんとだじょう)
標高 190m
住所 島根県安来市広瀬町
登山口までのアクセス 山陰自動車道「安来」ICから自動車で約20分
駐車場 登山口の近く、道の駅「広瀬・富田城」にあり(無料)
トイレ 登山口及び月山中腹の「山中御殿平」付近にあり

 

月山富田城跡の風景

2024年11月3日(日)、お昼前に月山富田城跡の登山口へ。

まず、車で道の駅「広瀬・富田城」を目指します。

 

駐車場

道の駅「広瀬・富田城」に到着。車を停めます。

看板が「道の駅」じゃなくて、「月山富田城跡」になってますね。

 

ここで、トイレをすませておきましょう。

 

登山口は、道の駅「月山富田城跡」の建物と野外トイレの間にあります。

登山口付近に掲示してあるモデルコースのとおり進行していきます。

 

(上り)登山口~千畳平

では、登っていきましょう。

 

登山口付近には、城主であった尼子氏の一族・尼子(塩冶)興久の墓が。

さっそく、尼子一族の興亡の地であったことを感じます。

 

少し登山道を登ると、脇道があってその先は「馬乗馬場」。

出丸のようなものか。尼子氏の旗のぼりが、はためいています。

 

登山口から15分弱で「千畳平(せんじょうひら)」に到着。

月山富田城の城郭施設の1つで、瓦の出土が多く、櫓が多く建っていたと考えられている広場です。

広場には点々と木が植えてあり、もしかして桜でお花見スポットかもしれません。

 

「千畳平」の一角には、「尼子神社」が鎮座しています。

残念ながら、立て札の説明書きの文字がぼやけていて読めず。

ひとまず手を合わせた後、先を急ぎます。

 

(上り)太鼓檀と山中鹿之助像~花ノ弾

「千畳平」から歩を進めると、ほどなく「太鼓檀(たいこのだん)」という広場につきます。

ここは、文字通り太鼓の櫓があったとされている場所。

昔は、太鼓を鳴らして時を知らせていたそうです。

そして、この「太鼓檀」では、銅像1体が、空を拝んでいます。

尼子氏に仕えた武将で有名な、山中鹿之助幸盛(やまなかしかのすけゆきもり)の像です。

 

山中鹿之助は、滅んだ尼子氏の再興に尽力。

その目的を達すことはできなかったのですが、その不撓不屈ぶりは後世に至るまで称えられています。

彼の最も有名なエピソードは「七難八苦を与えたまえ、と月に祈った」ことでしょう。

これは、月に向かって「自分に試練を与えよ、自分はそれを乗り越えて目的を達する」と志を立てたものです。

そんな山中鹿之助の姿は、今もこの月山富田城跡に残っているのです。

 

山中鹿之助の勇姿を拝んだ後、さらに奥へ。

次に見えてくるのは「花ノ檀(はなのだん)」という区画。

ここには、発掘調査で判明した情報を基に、復元された建物が2棟あります。

 

その建物は休憩施設とされ、日曜日には地元商工会が「尼子の茶店」を開いてくれています。

ブログ主が登った日は、たまたま日曜日。ラッキー!

 

お茶やお菓子が売ってあり、施設内でもいただけます。

ここで少し、一休み……

この先は、月山でも一番の難所である「七曲り」へのトライです。

 

(上り)山中御殿平~七曲り

「花ノ檀」で休憩した後、月山の中腹まで進みます。

そして、また平らな広い場所に出ます。「山中御殿平(さんちゅうごてんひら)」です。

 

この場所は、城主の館があったと考えられている場所で、周囲をぐるりと石垣に囲まれています。

じつは、この付近まで車で来ることができ、駐車場もあります。

月山富田城の外周部からではなく、直接、月山の山頂部へトライしたい場合は、この駐車場を利用できます。

 

石垣の間を通り、山頂部を目指します。

 

「本丸~三ノ丸」がある山頂部につながる登山道「七曲り」に到着。

七つの曲がり角……があるのかは定かではありませんが、クネクネとした登山道を登ります。

 

急峻な地形をぬって登山道があるため、急傾斜を頑張って登ろうしている感覚を味わえます。

気分はスイッチバッグ方式の鉄道車両!?

 

「七曲り」を登る途中、「山吹井戸」がありますが、古井戸なので水分補給はできません……

 

「七曲り」を登りきると、そこはもう「三ノ丸」です。

 

(上り)三ノ丸~二ノ丸~本丸

「七曲り」で消耗した身体に、今度は「三ノ丸」の石垣のお出迎え。

こりゃ、伊達に「難攻不落の山城」を名乗っていない、と実感。

 

「三ノ丸」の石垣の階段を上ると、「二ノ丸」~「本丸」へ続く尾根伝いの回廊が見えてきました。

 

近くに狛犬や社屋はないですが、鳥居が鎮座。

一礼して「二ノ丸」へ向かいます。

 

ほどなく、「ニノ丸」へ到着。

東屋があるので、座って休憩ができます。

 

東屋の中には、「月山の山頂登山記念」のスタンプがあります。

名所のスタンプをお集めの方、「二ノ丸」にありますよ。

 

そして、最後の「本丸」へ。

月山の山頂部の端まで来たことになります。

 

「太鼓檀」の項で紹介しました山中鹿之助の記念碑もあります。

 

最奥部には、「勝日高守神社」が鎮座しています。

大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀った神社で、城主だった尼子氏が代々、城の守り神として奉っていました。

 

狛犬が守る階段を登り、右に回ると拝殿があります。

扉越しにお賽銭を納め、二拝二拍手一拝。

 

社殿の周りをグルリと回ってみようとすると、その周囲は崖!

歩道の柵に寄りかからないように注意が気もありました。

 

神域周りの参道から、本殿を望む。

ここにおわす神様は、月山富田城の栄枯盛衰を見届け、今は何を見つめているのでしょう。

 

神社の参拝を終え、最後に山頂からの景色を楽しみます。

こちらは、日本海側の展望。

城下を流れる飯梨川と周囲に広がる町並み。最奥は安来市街と日本海の水平線……

 

日本海から内陸側に目を転じると、旧城下町と言うべき安来市広瀬町の町並み。

 

さて、「七曲り」を下って、「山中御殿平」まで降りることにします。

下りの「七曲がり」は、登りよりも道のクネり具合が目に見えて楽しいです。

 

(下り)山中御殿平~堀尾吉晴の墓:山中鹿之助の供養塔

「七曲り」を経て「山中御殿平」まで降りると、登りの時と違う道でふもとを目指します。

登りの道は広葉樹の林で陽が差し込む明るい道でしたが、降りは竹藪の道……

 

鬱蒼とした林を進むと、「堀尾吉晴の墓」と「山中鹿之助の供養塔」があります。

 

こちらは、「堀尾吉晴の墓」。

堀尾吉晴は、江戸時代初期・関ヶ原の戦い直後に、月山富田城の城主になった人物。

松江城を築いた武将としても知られています。

その堀尾吉晴、この静かな、本当に静かな竹林の中で眠っておられます。

 

「堀尾吉晴の墓」の近くには、「山中鹿之助の供養塔」も。

堀尾吉晴の妻が、山中鹿之助の業績をしのんで建てた、と伝えられています。

 

(下り)厳倉寺~赤門

堀尾吉晴公と山中鹿之助公の霊に御挨拶後、さらに降るとお寺の裏手に出ます。

 

このお寺は、真言宗の「厳倉寺(いわくらじ)」です。

先ほどの「堀尾吉晴の墓」も厳倉寺の境内だったのです。

ご本尊は、聖観音様。こちらにもご挨拶。

 

さらに降っていき、「仁王門」をくぐって、さらに麓へ。

お寺を守る仁王像は写真を撮り忘れました。(あと、西日が……)

 

階段を下りきると、「厳倉寺」の門である「赤門」に到着。

鮮やかな赤色の門をくぐって、下山完了です!

 

おわりに

島根県安来市の「月山富田城跡」をご紹介いたしました。

 

月山富田城跡は、史跡が豊富。

かつ、静かな町や山の中に位置するので、心穏やかに歴史を感じることができます。

特に、堀尾吉晴公の墓までの竹林道の笹音、下山した直後、城の傍らを流れる飯梨川の川音が心地よかったです。

この広瀬の町、山陰の鎌倉とも呼ばれているとか。

歴史も自然も満喫できる史跡巡り&登山はいかがですか?

 

ここまでの御高覧、ありがとうございました。

 

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