こんにちは。
当ブログで書籍を紹介しております佐々井と申します。
今回、ご紹介する書籍はこちら!
タイトル | しょせん幸せなんて、自己申告。 |
著者 | 綾小路きみまろ |
出版社 | 朝日新聞出版 |
初版発行年月日 | 2017年10月30日 |
「あれから40年!」というフレーズで中高年を爆笑の渦に誘う漫談家の綾小路きみまろさん。
その綾小路きみまろさんが、御自身の半生を振り返った自伝的書籍が本書です。
『「縁と運と努力」の連続の、あきらめの悪さだけが取り柄の人生』とご自身で表現される綾小路きみまろさん。
中高年の域に片足を突っ込みつつあるブログ主は、本書を拝読し、綾小路きみまろさんの背中を大いに参考にさせていただきたく感じました。
この記事を書いている2022年4月20日時点、人生のどん底で1日10PV程度のブログに取り組んでいる私にも、響くものが大いに有りました。
本書をオススメしたい方はこちら。
それでは、本書についてご紹介していきます。
「綾小路きみまろ」さんの半生
1950年、鹿児島県の農家(農耕馬の種付け師)に誕生。
学校では、クラスメイトを笑わせるのが好きな少年だったといいます。
そして、ようやく白黒テレビが普及しだした1969年、「テレビ番組の司会者になる」という夢を抱いて18歳で上京。
上京当初は、大学に通いながら新聞販売店で住み込みで働いていましたが、ふとした縁でキャバレーでボーイとして働くようになります。
(*キャバレー・・・夜に営業するエンターテイメント施設。お酒を提供し、ホステスが接待するお店)
そして、ボーイをしながら司会進行について学び、ひょんなことから、司会進行を任されるように。
その後、場所を転々としながらキャバレーや歌謡ショーの司会業を10年続けていきます。
この司会業をしながら、今の漫談のスタイルを確立していったそうです。
10年間、キャバレーや歌謡ショーの司会業をしながら、同じショーに出ていたエンターテイナーがテレビに進出していくのを目のあたりにし、徐々に焦るようになります。
「あの人がテレビに出てて、自分は・・・」
やがて、「自分は漫談家として身を立てたい」と決意。
そこで、自作の漫談を吹き込んだカセットテープ(現在で言うCD)を高速道路のサービスエリアで観光バスのお客さんに無料で配ることを始めます。
このとき、40代後半。
そして、このカセットテープの配布が芸能業界の関係者の目に留まり、漫談CDが発売されることになります。
今ではおなじみの「中高年向けの毒舌漫談」が収録されていた、そのCDが売れに売れて、一躍ブレイクして全国区の有名人・漫談家に這い上がることに成功!
ここに至るまで、無料で配っていた漫談カセットテープは、3,000個を超えていました。
そして、この2002年のメジャーデビューまでの下積み期間は30年(!)であり、22歳から52歳までの間「文字どおり」這い上がってきたのです・・・
メジャーデビュー後、NHK紅白歌合戦にゲスト出演するなど、人気が過熱。
そのさなか、「いつか、この人気はガクンと落ちるぞ」と不安を感じつつ仕事をしていたそうです。
テレビは鮮度が命。
視聴者というものは、飽きが来たら、次のエンターテイナーを求めていきます。
そして、綾小路きみまろさんは、自分の芸と向き合います。
自分の芸は「テレビ向きではない」とも分析するとともに、直接お客さんに向き合えるところで、誰かが必要としてくれる限り舞台に立ちたい!と決意します。
そして、今日まで活動を続けられているのです。
ざっとおおまかな著者の略歴を紹介させていただきました。
本書では、このストーリーの中にちりばめられている、さまざまなエピソードが数多く収録されています。
その一つ一つが、含蓄に富んでいると感じます。
是非、そのエピソードも読んでいただきたいと思います。
「綾小路きみまろ」さんの「幸せ」とは
今が不幸せですか?
昔が幸せで、戻りたいですか?
中高年をネタにした芸が持ちネタ、そして自身も中高年になった著者。
前項で紹介した半生を振り返って、たどり着いた著者の「幸せ」はなんだったのか?
もう結論は、タイトルに出ていますね。
「幸せ」の定義は人それぞれなんです。
自分が決めていくものなんです。
ただ、やはり「成功」や「幸運」というものは掴みたいもの。
そういう時は、人との「縁」を大切にし、自分も「努力」を怠らないこと。
そういう人が「運のいい人」と呼ばれます。
そして、「縁」「運」「努力」、そして「行動」が、「幸せ・成功」に導いてくれるでしょう。
「何をしてもだめだ」と思っているだけでは、何も起こりません。
「幸せ」を手繰り寄せるには、「勇気をもって明るい未来を信じる」ことも大切です。
30年間も「成功するかも」という世界で走り続けた著者が語ると、重みが違いますね。
また、自分の行いに責任を取ることが、人生を美しくします。
過ちを嘘でごまかせば、あとで災いとなって身に降りかかります。
著者も不祥事を起こしたことがありました。
特に「持ちネタに、サラリーマン川柳を無断に盗用したと」いう疑惑です。
その際、著者はあっさり「盗作に至った経緯と自分の著作権の無知」を認め、「謝罪」を行いました。
これにより、大きなパッシングはなかったといいます。
そして、人は独りで生まれて、独りで死んでいく。
しかも、なにも持たずに。
「お金」も、あの世に持っていけません。
ただし、「お金」は「この世」では重要なモノで、人生というものは「お金」に振り回され続けます。
こういうときは「お金で買える幸福」と、どこかのタイミングで分かれていけるかが重要です。
そして、人生の最初と最期は人任せです。(出産と介護)
それまでに、ありのままの自分を受け入れましょう。
「かつてあったもの」ではなく、「いまあるもの。できるもの」に目を向けましょう。
「幸せ」は人と人の間に漂っているもの。
一度失っても、人に感謝して生きていけば、必ずまた巡り合えるでしょう。
おわりに
綾小路きみまろさんの書籍「しょせん幸せなんて、自己申告」についてご紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
本書は、漫談と同様のテンポの良い軽妙な語り口調でつづられた、読みやすい1冊です。
芸人とは、ある意味、自己表現を行う人。
ブログ主も、零細ブログとはいえ、自己発信を行っています。
自己表現の大先輩の書として、本書を手に取れた縁に感謝したいと思います。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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