この本は「ミニマリスト」という生き方を紹介してくれる1冊です。
「ミニマリスト」という言葉、どんな印象を持っていますか?
なんでもかんでも捨ててしまって、からっぽの部屋にポツンと生きる……
そんなイメージをする人もいるかもしれません。
この本の著者・しぶさんは言います。
「ミニマリストとは、自分が、自由に、主体的に、人生を選択するスタイルのこと」(意訳)
本記事では、本書の概略を簡単にご紹介します。
しぶさんの略歴
裕福な家で生まれた、しぶさん。
何不自由なく、欲しいものは買ってもらえた生活でしたが、中学生になるころに破綻。
父親の自己破産、離婚、シングルマザーとなった母のもとでの貧困生活、と生活は一変。
そして、大学進学失敗、フリーター生活。
肥大化する物欲と見栄が満たされない暮らしの中、ひょんなことから知った「ミニマリズム」という志向。
「物では幸せになれない」という考えに触れ、「ミニマリスト」として開眼し、生き方を一変させます。
本書執筆時点では、「ミニマリズム」として生き、この生き方について情報発信することで生計を立てています。
ミニマリズムってなに?
さっそくですが、本書で紹介されている「ミニマリズム」の考え方を箇条書きにしてみました。
・大事なことに時間・お金・労力を集中する
・大事なことに集中するため、所有物などに「無駄」はないか見直して、手放す
・そして、身軽に必要最低限のもので生きる
・しかし、必要と思ったものにはドンドン投資する
・結果、最小限のお金で、最大限の自由を生きる
物欲や見栄のために、お金や時間を使うのをやめ、本当に自分が欲することに使う。
そのため、自分の「好き」にもっとフォーカスする。
「ミニマリズム」とは、そんな生き方のことなのです。
さて、ミニマリズムは「必要ない」と判断したモノやコトをばっさりと手放すことを勧めています。
なんだか、「断捨離」に似ている部分があるようです。
実際、本書に掲載されている著者の自室(4畳半ワンルーム)の写真は、すっからかん。
冷蔵庫も、テレビも、テーブルも、ベッドも、カーテンもありません(エアコンはある)
殺風景……と感じられるほど、まっしろな空間です。
これは、思い切って「手放す(売る、ゆずる、捨てる)」ことを突き詰めた結果でしょう。
「すっからかんの部屋」は、著者以外にも同じように写真等を書籍やSNSで情報発信する方々がいます。
こうした情報発信の結果、ガランとした部屋が「ミニマリズム」のイメージとして広まりました。
その「すっからかん」っぷりに、「ミニマリズムって極端すぎ!」「やりすぎ!」「ありえない!」と、拒否反応を起こす人もいます。
しかし、「ミニマリズム」は、これ!という決まった生き方ではありません。
「人生の方向性」なのです。
人それぞれに大事なものが異なるのと一緒。
「ミニマリズム」を導入した先にある生活スタイルは、人それぞれです。
本書でも、「この本に書かれているのは僕自身のミニマリズムだ。」と記されています。
読者が「これいいな!」と感じたことを少しでも取り入れることで、人生が好転すればいい。
自分が賛同する部分があれば、それを実行に移して「自分のミニマリズム」を造ればいいのです。
しなやかに生きよう
前章では、ぼんやりと「ミニマリズム」についてご紹介しました。
本書では、ミニマリズムの実践時のエピソードや、具体的なやり方が50個挙げられています。
その中から、ミニマリズムの柔軟性についてご紹介します。
さきほど、「ミニマリズムは所有物を見直して、「無駄」と感じたものは手放す」といいました。
実際に著者も、所持品のあれやこれやを見直して、手放していきました。
ベッドもその1つ。
「床に直接寝ても問題ありませんでした」、と本書前半にあります。
高級なベッドに頼らなくても、食事や運動習慣で快眠は可能……というのです。
つまり、ベッドを使わず、床+掛け布団で寝ているのです。
「ベッドを手放すなんて、さすがはミニマリストってことかな……」と、本書を読み進めると……
本書中盤では、「マットレスを買った」とあります!
曰く、インフルエンザで寝込んだときに購入したとのこと。
床で寝る生活を経験してからの、マットレスで寝る快適さは格別だとか。
インフルエンザ後も、「マットレスで寝る日」と「床で寝る日」を使い分けているそうです。
さて、このエピソードはいかがでしょうか。
「やっぱりマットレス必要じゃん!」
「最初からベッドを手放さなくて、よかったのでは……」
「ミニマリストとか言って、生活様式をコロコロ変えてて節操ないね」
いろいろ、感じ方はあると思います。
ここで、ブログ主(この記事執筆者)が伝えたいことは1つ。
「”良い”と感じたことは、前言撤回してでも取り入れる柔軟性が大事」
他人にどう思われようが、自分の生活は自分基準で決めること。
外聞や見栄に振り回されて、自分が「したい」と感じた生活を諦めることはありません。
他人軸で、自分の生き方を判断しないように。
自分の行動の影響が出るのが、自分だけの場合に遠慮はいらないのです。
もちろん、自分の言動で、他人を振り回してはいけません。
「自分の生活の方向転換」と「共同生活でのワガママ」は別物。
自分の行動や選択が、どういう影響を及ぼすかを考えましょう。
おわりに
著・ミニマリストしぶ「手ぶらで生きる。」を簡単ですが、ご紹介いたしました。
「ミニマリズム」の考え方は「極端」と見られがちですが、そのエッセンスは取り入れたいことが多々ある、とブログ主は感じています。
本書のようなミニマリストの本の影響か、モノはできるだけ少なくしたいし、シンプルなものが好きです。
そういう志向で生きていますが、1つ気をつけていることがあります。
それは、「家族に自分の志向を押し付けない」こと。
独り身だと大丈夫ですが、同居者がいる場合は、日常生活に協調性が必要です。
よく話し合って、生活の方向性を整えていきましょう。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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