「あの世」と「この世」の境。
そんなものが、実際にあったとしたら、アナタはどうしますか……
島根県松江市東出雲町に、”そんなもの”があると聞き、実際に行ってきました。
黄泉比良坂について
日本神話における、あの世とこの世の境……
それが「黄泉比良坂」と呼ばれる小高い丘の中腹にあります。
まずは、その伝説をご紹介。
日本神話と黄泉比良坂
日本列島を生み出した、神様であるイザナギ(男神)とイザナミ(女神)。
仲睦まじい夫婦の神様でしたが、やがて妻であるイザナミが亡くなってしまいます。
嘆き悲しんだ夫・イザナギは、あの世(黄泉の国)に行き、イザナミを連れ帰ろうと決意。
あの世の国の入口にたどり着いたイザナギは、扉越しにイザナミに大声で呼びかけます。
この声に、イザナミは「あの世の神様に相談するので、扉を開けないで待っていて」と答えます。
その言葉通り、最初は待っていたイザナギ。
しかし、待てど暮らせどイザナミは出てきません。
とうとう、イザナギはしびれを切らして、扉を開けて中に入ってしまいます。
その先に待っていたのは、身体が腐り果てたイザナギの姿でした。
「この姿を見られてしまった……」
怒り狂ったイザナミに驚いたイザナギは、一目散に走って”この世”に逃げだします。
イザナミは、あの世の鬼を引き連れて追いかけてきます。
どうにかこうにか、あの世とこの世の境「黄泉比良坂」まで辿り着くイザナギ。
そして、大きな岩「千引岩」で坂の道をふさぎ、イザナミが追ってこれないようにしました。
以上が、黄泉比良坂に関する日本神話(かなりダイジェスト)です。
位置などの情報

| 公式サイト | https://www.kankou-shimane.com/destination/20332 |
| 住所 | 〒699-0192 島根県松江市東出雲町揖屋 |
| ジャンル | 旧跡 |
| アクセス | JR西日本・山陰線「揖屋」駅から徒歩約20分 |
| 駐車場 | あり(3台程度) |
| トイレ | なし |
黄泉比良坂の風景
2025年2月1日(日)。
小さな雪がちらつく中、鳥取方面から国道9号を走って黄泉比良坂に。
国道を降りると黄泉比良坂はすぐ近くですが、車1台分の幅の道になるのでご注意を。
駐車場
黄泉比良坂まで、まっすぐ走ると駐車場に突き当たるので、迷って通過することはありません。
駐車場は、黄泉比良坂への道・東屋・案内板に囲まれ、3台が停まれるくらいの広さです。

案内板
黄泉比良坂の由緒を伝える案内板。
この記事でもご紹介した日本神話について、読むことができます。

案内板は、もう1枚あります。
この坂でイザナギと別れたイザナミ(妻神)を祀った「揖屋神社」も紹介されています。

東屋
駐車場に隣接した東屋。
周辺の観光マップを見ながら、休憩できます。

東屋の引き出しを開けると、黄泉比良坂にまつわるパンフレットが手に入ります。
より詳しい日本神話が読めますよ。

黄泉比良坂への道
案内板の脇に、黄泉比良坂に繋がる坂道の入口があります。

黄泉比良坂は、駐車場の周辺をグルリと歩いて、すぐそこ。

さぁ、あの世とこの世の境に行ってみましょう。

黄泉比良坂
しめ縄で区切られた神域に入ると、すぐ横にある石碑。
イザナギとイザナミの日本神話と、この坂と周辺集落を区切る「道祖神」について刻まれています。

石碑はもう1つ立っています。
こちらは、駐車場の案内板に紹介されている「昭和15年の石碑」です。

石碑の横には、大きな「山桃の木」が。
神話では、あの世からイザナギを追ってくる鬼を追い払うために、イザナギは桃の実を投げつけたとあります。
このことから、イザナギは桃の実に「意冨加牟豆美命(おほかむづみのみこと)」と名付けました。
この木が、「意冨加牟豆美命(おほかむづみのみこと)」なのでしょうか。

さて、この旧跡の突き当たりには、「大きな岩」と「木のポスト」が鎮座。
この巨石が「千引岩」なのでしょうか。

岩の間には、小さな石が積まれています。お賽銭ではありません。

巨石の裏にまわってみましたが、なにもありません。
千引岩であの世への道を塞いだ、と言うことは、やはりあの世は地下にあるのかな?

天国(黄泉の国)への手紙ポスト
巨石のとなりには、木製のポストがあります。
「天国への手紙」を投函するポストです。

亡くなった方へ伝えたいことを記した手紙を届けてくれると言います。

ポストの横には、筆記用具と便せんが用意されています。
手ぶらで来ても、手紙を出すことができます。

手紙を出す方は、切手代をお賽銭箱にお願いします。

今は亡き人に伝えたいことがある方、黄泉比良坂に来てみてはどうですか?

塞の神(道祖神)
黄泉比良坂と駐車場をつなぐ道には、別れ道があります。
黄泉比良坂と周辺集落を区切る「道祖神」が鎮座しています。

林の中の一本道を進むと……

道祖神様が。集落への道を守っておいでです。
周囲の林に溶け込んでいますので、見落とし注意!

来訪した当日や前日の天候が悪いと、写真のように足元がぬかるみます。
こちらも、御注意ください!

おわりに
島根県松江市東出雲町の「黄泉比良坂」について紹介させていただきました。
ブログ主は、祖父母をいずれも亡くしています。
「あの世」「死者」について思い起こす場所を訪れると、そうした今は亡き人に思いをはせることができます。
けっして華やかな観光地ではない「黄泉比良坂」。
しかし、日本人が死に思いをはせる地として、一度訪れてみてはどうでしょうか。
ここまでの御高覧、ありがとうございました!
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